大敗した衆院選から一夜明け、自民党総裁として会見する石破茂首相（撮影・中山知子）

　27日に投開票された衆院選で、自民党は改選前の256議席から191議席になり、65も減らす大惨敗となった。公明党は石井啓一代表が埼玉14区で落選するなど8議席減の24議席へと勢力が後退し、与党で合計215議席と石破茂首相が目標とした過半数の233議席に届かなかった。 　定数465議席のうち、与党以外の政党や無所属などが計250議席と過半数を上回っている状態で、現状で石破政権はいわゆる「少数与党」に転落した。少数与党は、与党だけで予算を成立させることができないため、野党など与党以外の勢力の協力が必要になり、不安定要素も増える。少数与党のままでは政権運営が厳しくなることから、今後、自民党は追加公認や保守系無所属の取り込みなども視野に、少しでも与党勢力の拡大を目指すとみられる。 　少数与党による政権では、過去に短命に終わったケースもある。細川護熙内閣が退陣後、政権を担った羽田孜首相は1994年4月、非自民の羽田内閣を発足させたが、発足時の7党1会派の構成メンバーだった社会党（当時）が、首相指名後に起きた社会党以外の党による統一会派結成に反発し、連立政権を離脱。羽田政権は少数与党に転落した。 　その後、当時野党だった自民党が内閣不信任決議案を提出し、可決される見通しとなったことから、羽田首相は最終的に総辞職に追い込まれた。羽田首相の在職日数は64日で、戦後の内閣では2番目に短い。 　今回の衆院選の結果を受けて少数与党に追い込まれた石破政権を、当時の羽田政権と比較するような指摘も出始めている。