熊本市電、29日から減便 運行本数1割減少 車両故障、乗務員不足で
熊本市中央区の竹原繁子さん(75)も「市電の利用頻度が多い高齢者には影響がある。運行時間を今よりも気にする人は増えるだろう」と話した。 市交通局にとって、減便は避けたい選択だ。だが、今年に入って、ドアが開いたままの走行や、赤信号の確認を怠るといったミスが相次ぐ。その要因の一つとして、慢性的な乗務員不足も指摘されている。今回のダイヤ改正の背景には、そんな事情もある。 運転士の確保は進んでおらず、ダイヤを前回改正した昨年11月と比べて6人減った。非正規の会計年度任用職員という身分の不安定さも影響しているという。 労働環境の悪化も深刻だ。昨年4月に約15時間だった乗務員の残業時間は、今年3月には約30時間と倍に増えた。市交通局は「減便によって、乗務員への十分な指導時間を確保し、安全性の向上につなげたい」としている。(臼杵大介、上村彩綾)