「父の失踪、トリオ解散…」芸人として不遇の時代を経て コカドケンタロウが中岡と運命的なコンビ結成を果たすまで
コカドさん:いえいえ、全然。そもそも結成した時点で中岡くんは工場勤務のために5年間もお笑いから離れていました。そのため、最初は勘を取り戻すのが大変そうでしたし。 ── お笑いで大変だったと言えば、コカドさんも滑舌について悩んで手術も経験されたとか? コカドさん:そうですね。僕は滑舌が悪かったので、よくするための手術も経験しました。歯科医で舌の下にある筋を切って舌を伸ばしたので、カ行とタ行は言いやすくなりましたが、サ行とハ行は変わらず。そして今まで不便のなかったラ行が言いづらくなってしまいました。なので、手術の結果は二勝一敗ですかね。なかなかうまくいきません。
──今後、挑戦してみたいお仕事はありますか? コカドさん:何度もコンビの解散を繰り返すなど、波乱万丈の芸人人生でしたが、若いころにいざとなれば古着屋に戻ればいいと思えるほど好きなことに出会えたことは、お笑いを続けるうえで幸運でした。最近はその好きなことに趣味で始めたミシンが加わったのですが、お笑いの仕事がなくなっても自分にはほかに幸せだと思える場所があると思えることは、芸人として思いきって発言したり行動したりできるようになるきっかけになった気がします。
最近はドラマや映画のお芝居など、自分がやることになるとは思っていなかったお仕事が意外と楽しかったということが多いです。想定外のことに挑戦することにワクワクを感じるので、今後もそういうお仕事をいただけたらうれしいですね。 PROFILE コカドケンタロウさん こかど・けんたろう。1978年、大阪府生まれ。2005年に中岡創一とお笑いコンビ・ロッチを結成。2015年にはキングオブコントで3位に輝く。最近の趣味はミシン。2024年11月に著書『コカドとミシン』(ワニブックス)を発売。 取材・文/酒井明子 写真提供/コカドケンタロウ
酒井明子