『冤罪生んだ検事』法廷で「覚えていない」連発 会社を奪われた元社長が国に賠償を求めた裁判 『証言』を強引に引き出す特捜部の実態 「検察は間違いを認められない組織なのかもしれない」と報道デスク
21億円の横領事件をめぐり無罪が確定した不動産会社の元社長が国を訴えた裁判。 実は捜査の中で元社長の逮捕を「待ったほうがいい」と進言していた検事がいた。 14日、その検事が証言台に立った。 【動画で見る】冤罪事件を主導した検事が「覚えていない」連発 無罪判決の元社長が国に賠償を求めた裁判 肝心な質問に答えない検事 当時の検察内部で何が起きていたのか。 生々しいやり取りが浮かび上がってきた。
■21億円の横領事件で逮捕のプレサンス元社長 裁判で『無罪確定』 国に賠償求める
14日、大阪地裁で開かれた裁判。 現役の検察幹部らが尋問を受ける、異例の展開となっている。 この裁判で争われているのが「検察の捜査は違法だったのか」という点だ。 大手不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さんは5年前、学校法人の土地取引をめぐり部下らと共謀し21億円を横領したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した。 その後、山岸さんは「違法な捜査で冤罪を作り出した」として国に損害賠償を求める裁判を起こしている。
■「山岸さんは横領計画を知っていた」という証言を引き出すべく実施された特捜部の取り調べ
特捜部は、山岸さんが横領計画を知っていながら『マンション建設の土地欲しさに金を貸した』という見立てをもとに捜査を進めた。 山岸さんの関与を示す客観的な証拠も乏しい中で、特捜部がこだわったのが、事件関係者から「山岸さんは横領計画を知っていた」という証言を引き出すこと。 そこで重点的に取り調べを受けたのが、この土地取引の実務を担っていた山岸さんの部下K氏(逮捕、起訴の後、裁判で有罪判決)だった。 K氏自身は横領計画を知りながら取引を進めていたが、「山岸さんには伝えていなかった」と、取り調べに対して答えていた。 しかし最終的に、K氏は「山岸さんは横領計画を知っていた」と証言を変え、それが山岸さん逮捕の決め手となったのだった。 無罪判決でも言及され問題となったのが、大阪地検特捜部がK氏に対して行った取り調べだ。
■「プレサンスの評判を貶めた大罪人ですよ」
11日には、法廷で日本の司法の歴史上はじめて特捜部の取り調べ映像が公開された。 【田渕大輔 検事】「端からあなたは社長をだましにかかっていったってことになるんだけど、そんなことする?普通」 【山岸さんの元部下K氏】「しないですよね、普通は」 【田渕大輔 検事】「なんで、そんなことしたの。それ何か理由があります?それはもう自分の手柄が欲しいあまりですか。そうだとしたらあなたは、プレサンスの評判を貶めた『大罪人』ですよ」 【田渕大輔 検事】「これ例えば会社から今回の風評被害とか受けて、会社が非常な営業損害を受けたとか、株価が下がったとかいうことを受けたとしたら、あなたはその損害を賠償できます?10億、20億じゃ済まないですよね。それを背負う覚悟で今、話をしていますか」
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