パガーニ・ゾンダ S ケーニグセグCCXR(1) 全身全霊で速さを引き出す 瞬間的で爆発的な加速!
ゾンダ Sの購入には、強い意志と責任が必要
ただし、気を許してはいけない。軽く湿ったカーブでは、アスファルトの外へ追い出されそうになる。トラクション・コントロールは、全開加速時にパワーを一気に絞るように介入するだけだ。 ブレーキは、数週を本気で攻めてもフェードの気配がない。グリップは驚くほど高く、アンダーステアへ陥る様子はない。ステアリングホイールは、コーナーを攻め込むほど、手のひらへ情報が伝わるようになる。 旋回中に迂闊にブレーキを踏むと、テールが突然外側へ流れる。兆候はほぼなく、即座に正確なリカバリーが求められる。腕利きのドライバーにとっては、素晴らしいハイパーカーかもしれないが、筆者には慎重なアプローチが欠かせない。 ゾンダ Sの購入には、今でも強い意志と責任が必要だ。当時の大手の自動車メーカーは、ドライバーの負担を減らす電子技術の開発では進んでいた。だがパフォーマンスでは、必ずしも同じ水準にはなかった。 この続きは、パガーニ・ゾンダ ケーニグセグCCXR(2)にて。
サイモン・ハックナル(執筆) マックス・エドレストン(撮影) 中嶋健治(翻訳)