日本が苦戦したオーストラリアの”5-4ブロック”攻略法とは「5と4で守られると、早くゴール(前に)入れたくなってしまうけど…」 | 内田篤人のFOOTBALL TIME
【国内サッカー・ニュース】DAZNで配信している『内田篤人のFOOTBALL TIME #204』では、サッカー日本代表が10月シリーズに臨んだアジア最終予選のサウジアラビア戦とオーストラリア戦をレビューした。 ●【動画】日本×オーストラリア|ハイライト
10月シリーズでアジア最終予選の2試合に臨んだ森保ジャパンは、サウジアラビア代表には敵地で勝利(2◯0)したものの、オーストラリア代表にはホームでドロー(1△1)という1勝1分けの結果に終わった。 現役時代にサンフレッチェ広島でプレーした過去を持つトニー・ポポヴィッチ新監督率いるオーストラリアは、日本戦で[5-4-1]という布陣を採用。日本は、そのコンパクトな守備ブロックを前に押し込む時間は長かったが、オウンゴールで今大会初失点。その後に途中出場の中村敬斗がサイドを切り裂いて、オウンゴールという形で同点としたが、オーストラリアの強固な守備ブロックに苦戦して勝ち切れなかった。 内田氏は、「オーストラリアは調子が悪いという情報で日本に乗り込んできたと思いますけど、監督が変わって守備をちゃんと構築して球際もそうだし、切り替えもそうだし、ある程度、うまく持ってきたなと。さすがオーストラリアだなと思いました」とオーストラリアの印象を語った上で、「最後は崩せなかったですね。(最終ライン)5枚で、(中盤)4枚を並べてきたらなかなか(大変だ)ね」と日本の戦いを振り返った。 日本はどのように”5-4ブロック”を攻略すべきだったのかー。サッカー解説者の佐藤寿人氏が戦術ボードを使いながら意見を述べた。 佐藤氏が5バック攻略する上でポイントに挙げたのは、日本のウイングバックにボールが入った時にオーストラリアの3バックの両脇の選手をどのように動かすかという点。ただオーストラリア戦では、先発した久保建英と南野拓実の二人のシャドーのところで、「2シャドーのところのアクションがなかなかスペースもなかったので、タイミングを合わせる作業に苦戦していた」と印象を語る。 その上で佐藤氏は、ウイングバックにボールが入った時にシャドーの選手が「(WBの選手が)出せるタイミングで、タイミングよく動くことで(相手の最終ラインは)動かされる。そこでスペースが生まれるので、裏(のスペースが)できてスルーパスというのも生まれてくる。(シャドーの)動く場所とタイミングが(相手の最終ライン)3枚を動かすためには必要だった」と解説した。 ただ内田氏は、オーストラリアの守備が「理にかなっている」と言及する。続けて「オーストラリアは、3バックの脇が釣られず、中をしっかりと固めていた。三苫選手や久保くん、伊東純也選手あたりがクロスを上げてくるのはある程度、仕方ない。そのかわり中を固めようという守り方をしていたので、どうしても日本が動いても釣られてこなかった」と言及した。 日本をリスペクトして徹底的に守備を固めてきた長身揃いのオーストラリアの守備を崩し切ることは簡単ではないが、その中で佐藤氏は、”攻撃の手数をかける”をポイントとして強調し、「どうしても5と4で守られると、早くゴール(前に)入れたくなってしまうけど、それだと守備側の思うツボ」と語る。 また内田氏は、「シンプルにもっと遠くからシュートを打っても良かった」という考えを述べると、その意見に賛同した上で佐藤氏も「どちらかと言えば、綺麗に崩して決めようという意識が強かったのかなと思った」と語っている。