知っていますか? 公立大学の学費の特徴と大学独自の授業料減免制度
公立大学の学費は国立大学に準じ、私立大学に比べ安価です。また、大学独自の授業料減免制度があります。さらに多くの公立大学では、地元の人には入学金が割引になる優遇制度もあります。
公立大学とは
公立大学は主に都道府県や市が設置する大学です。平成元年度に大学数39大学、在学者数約6万人であったものが、令和5年5月1日現在、100校、16万5914人と大学数、学生数ともに増加傾向にあります。 私立大学から公立大学に移行する例もあります。直近では、旭川大学が旭川市立大学に令和5年4月に移行しました。平成21年4月に最初に公立化した高知工科大学以来、全国で12例目となっています。 学部は1学部が最も多く、次いで2学部、3学部となっています。5学部以上は全体の約9%です。学部の種類は、看護・保健医療・福祉関係系統が最も多く、次いで社会科学系統、理工学系統となっています。 合格者の入試区分ごとの割合を見ると、国公立大では一般選抜が約84%と8割以上を占めています。公立大では約75.6%となっています。私立大学は75.2%です。 国公立大学の一般選抜は、1月中旬に行われる大学入学共通テストおよび、2~3月に大学ごとに行われる個別試験(2次試験)を中心に判定されます。国立大学の個別試験は、前期日程と後期日程の「分割分離方式」で実施されます。公立大学では前期・後期に加え、中期日程を行う大学もあります。
国公立大学とも受験のチャンスが2度ないし3度あると勘違いされがちですが、前期試験で合格し入学手続きをした人は中期や後期の試験を受けて合格しても合格者にはなれないので注意しましょう。
受験料・学費
国公立大学では必須の大学入学共通テストの検定料は、3教科以上が1万8000円、2教科以下が1万2000円です。公立大学の個別試験の検定料は1校あたり1万5000円~3万円、平均1万7186円(令和5年度)となっています。 公立大学の学費は国立大学に準じます。文部科学省の調査によると、令和4年度の入学料・授業料はそれぞれ、国立大学(標準額)は28万2000円・53万5800円、公立大学が平均37万4371円(地域外)・53万6191円となっています。 最も授業料の高いのが国際教養大学の69万6000円です。なお、私立大学は24万5951円・93万943円(令和3年度)となっています。 私立大学の学費は学校や学部により大きく異なりますが、国公立大学では基本的に異なりません。公立大学の大きな特徴は、多くの大学で入学料の「地元出身者優遇制度」を設けている点です。 たとえば、埼玉県立大学の入学金は、「埼玉県内の者21万1500円・埼玉県外の者42万3000円」となっています。優遇割合は大学により異なります。優遇のない大学もあります。 公立大学の卒業までの学費は、地域内が約237万円、地域外が約252万円です(入学料+授業料)。