就活の〝自己PR動画〟4割の学生が「面倒」、面接では動画に触れられず…企業の狙いは
採用選考で、エントリーシート(ES)だけでなく動画を提出させる企業があります。希望の職業に就くためとはいえ、学生としては戸惑いもあるようです。客室乗務員(CA)に内定した女性は、20本ほどエントリー動画を撮影しました。「1人暮らしなので、どう撮影するか悩んだ」と体験を語ります。(withnews編集部・河原夏季) 【画像】「ほとんどの人生に エスカレーターはない」 富山大の就活向けポスターが面白い
エントリー動画を20本撮影
「動画編集の経験はありませんが、ネットで調べて撮りました」。航空系を中心に就職活動をしていた大学4年生の女性は、そう話します。 女性はCAや空港グランドスタッフを目指し、3年生の終わりから本格的に就活を始めました。エントリーした企業の多くはESを出す際に動画の提出も必須で、20本ほど撮ったそうです。 就活を始める際、CAとして働く大学の先輩に動画の提出が必要なことは聞いていましたが、撮影の具体的なイメージまでは持てていませんでした。 提出する動画は企業によってテーマが様々でした。 「志望動機や自己紹介を提出するものもあれば、CAが搭乗ゲートに立っているシチュエーションで、お客様に『おはようございます。ご搭乗ありがとうございます』と言うだけのものもありました」 就活用のマイページから送信するケースや動画提出専用のアプリを使うケースなど、送信方法も企業によって異なります。 「一発撮りしか許されなかったり、事前に撮影しても編集してはいけなかったり、会社によってお題も違うので使いまわしはできません。ESよりも面倒でした」
「評価基準が分からない」
撮影方法も悩んだという女性。「1人暮らしなのでどう撮影するか迷いました」と話します。友だちに撮ってもらうと絶対に笑ってしまうので、結局1人で撮りました」 目の前に面接官がいないからこその緊張もあったといいます。 「面接では相手の反応が分かりますが、動画ではどこを見られているのか、何が良くて何が悪いのかといった評価基準が分かりません。『何をしたらいいのかな?』からスタートしました」 撮影には三脚があると便利ですが、「エントリー動画を撮るためだけにしか使わないから」と購入しませんでした。 代わりに家にあった物干し竿と100円ショップで買ったプラスチックの箱を組み合わせてスマホを固定し、撮影に臨んだといいます。 部屋の明るさには気を使い、オンライン面接用に買ったライトを使用したそうです。 苦労した動画でしたが、「面接で直接動画の中身について聞かれることはなかった」と振り返りました。