花と美術品、新たな芸術に 県いけ花作家協会展 富山新聞高岡会館に愛好者ら続々
●9日最終日 第31回富山県いけ花作家協会展(同協会、富山新聞社、北國新聞社主催)は2日目の8日、会場の富山新聞高岡会館に愛好者らが続々と訪れ、にぎわいを見せた。来場者は花と作品が共演して「調和の美」を生み出す大作に見入るなど、新たな芸術品を心ゆくまで満喫した。 協会展は「花 平和な未来へ」をテーマに能登半島地震からの早期復興を願い、古流柏葉会、草月流、嵯峨御流、遠州秀月流の4流派が計49点を並べている。 村上真園理事(遠州秀月流)と山本由園さんの大作は高岡市鋳物資料館に展示してある、加賀藩前田家2代利長が着用した「銀鯰尾形兜(ぎんなまずおなりかぶと)」をモチーフにした高岡銅器のかぶととジョイントした。 ナンテンは「難を転じる」、ショウブは「勝負」とかけた花材を使用し、シャクヤクも添えて華やかに仕上げた。紫や黄色の鮮やかなショウブは県民公園頼成の森が特別協力して調達した。友人ら5人で鑑賞した林榮作さん(82)=高岡市=は「銅器の作品と花を組み合わせることで、高岡らしさが表現されている。震災で暗い気持ちになっていたが、作品が気持ちを明るくさせてくれる」と喜んだ。 北山理光常務理事(古流柏葉会)ら3人は日本画家西藤哲夫さんの作品「渓谷の春」と共演。雪解け水の中を生き生きと泳ぐ魚を描いた絵の続きかのように、水草で川の流れを表現するなど立体感のある作品となった。高岡市の二上由美子さん(72)は「色合いや雰囲気がマッチしていて素晴らしい。身近な花材も多く、自分も見習って生けてみたい」と笑顔を見せた。 最終日の9日は午前10時から午後5時まで開かれる。入場は無料。