フィリピン経済のさらなる活性化の鍵…「フィリピンへの海外直接投資」と「官民連携」の最新動向
一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、フィリピン経済のさらなる活性化のために重要な役割を持つフィリピンへのFDI(海外直接投資)と、PPP(官民連携)の最新動向を中心に解説していきます。 【動画】日本のシン富裕層✖︎永住権・移住
「フィリピンへのFDI」改善傾向だが…懸念は?
中央銀行(BSP)の最新データによると、昨年の純FDI流入は2022年の95億ドルから減少して89億ドルになりました。これは、FDI純流入が2年連続で減少したことを示しますが、中央銀行の予測である80億ドルは上回っています。一方でBSPは、2024年末までにFDI純流入が100億ドルに達すると予想しています。 HSBCによると、フィリピンのFDI流入はマレーシアやベトナムのように堅調ではありませんが、1990年代と2000年代初頭の停滞した流入からは改善。フィリピンのFDIを引き寄せる評判が確実に向上。これは、Ease of Doing Business Act、Corporate Recovery and Tax Incentives for Enterprises(CREATE)法、Foreign Investment Act、Public Service Act、Retail Trade Liberalization Actなどの大胆でゲームチェンジングな改革によるビジネス環境に変化によるものと分析しています。 一方で、継続的な規制上の障害や高コストの電力供給などのリスクも指摘。これらの懸念に対処するために、政府は規制緩和を促進し、再生可能エネルギーへの投資を拡大し、フィンテックやデジタル小売業の潜在能力を活用することに焦点を当てるべきだと提言。一方で2022年に再生可能エネルギーへの外資完全所有権が開放されたことで、再生可能エネルギーへの投資機会は見逃せないものになっていると期待を寄せています。