“ピクサー大好き芸人”ハナコ・秋山寛貴、ベスト・オブ・ベストは『トイ・ストーリー』「想像力を与えてくれた」
■『Mr.インクレディブル』(2004年)/『インクレディブル・ファミリー』(2018年) まず、『Mr.インクレディブル』のテーマ曲「スーパー・クレジット」がかっこいいです。ザ・ヒーロー曲という感じですね。『インクレディブル・ファミリー』を映画館で見た時に買ったパンフレットに書いてあって、すごく感心したというか、興味深かったことは、家族それぞれのスーパーパワーの由来。 Mr.インクレディブルことボブは怪力の持ち主でタフ、お母さんのイラスティガールことヘレンは家事全般を担っていて手が伸びてほしいぐらい忙しいからゴムのように伸縮自在になっている。姉のヴァイオレットは、難しい年頃で殻にこもりがちだからバリアを張ることができきたり、自分の姿を消したりできる。弟のダッシュはやんちゃでとにかく走り回りたい。赤ちゃんは無限の可能性を秘めているから、ジャック・ジャックは未知のパワーを秘めていることにした、みたいなことが書いてあって、それを読んでみんなのことがすごく身近な存在に感じられて、より好きになりました。 あと、Mr.インクレディブルの友人でフロゾンというスーパーヒーローがいるんですが、彼が働きすぎています。シリーズ2作品を通して、一番頑張ってる。フロゾンファンと語り合いたいです。 ■『カーズ』(2006年)/『カーズ2』(2011年) 『カーズ』は、車を擬人化していて、それまでのピクサー作品とはガラッと変わった感じがしました。僕は絵を描くことも好きなんですけど、すごいなと思うのは、眉。『カーズ』のキャラクターたちの眉を見てほしいです。眉の動きでキャラクターのさまざまな感情を表していて、すごく表情豊か。それはニモなどほかの作品にも言えることなんですけど、眉や上まぶた、下まぶたの動きに、ピクサーのキャラクターたちの魅力の秘密が隠されているのかな、と勝手に思ってるところです。全然違うかもしれないです。 ■『レミーのおいしいレストラン』(2007年) あたたかい色づかいが印象的で、レストランや料理シーンの暖色系のシーンとネズミたちだけのシーンとのギャップ、メリハリが魅力的な作品。とにかくラタトゥイユをはじめ料理がものすごくおいしそうです。 ■『ウォーリー』(2008年) たったひとりでゴミ処理をする仕事をしていたウォーリーが、イヴと出会う。そのたった一つの出会いから始まる物語。台詞は少ないけれど、誰が見てもわかるし、こんなピュアな物語ほかにあるか、というくらいピュア。ウォーリーの夢が、いつか誰かと手をつなぐことという。シンプルだけど、すごく壮大で、予期せぬ展開を見せるし、超ファンタジーかと思いきや、実は僕たちの未来ってこうなるんじゃない?みたいなリアリティもあるところがピクサーらしいですね。 ■『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009年) 僕が好きなのは見た目です。どの作品もキャラクターデザインがいいのですが、特に『カールじいさん~』は秀逸だと思います。カール・フレドリクセンさんの顔といい、ラッセルのシルエットといい、犬のダグといい、みんな魅力的なんですよ、見た目が。 フレドリクセンさんで思ったのは、ピクサーのキャラクターって名前もめちゃくちゃ良くて。フレドリクセンさんは絶対さん付けで呼びたくなりますし、ほかの作品でも、『モンスターズ・インク』のサリーの本名は「ジェームズ・P・サリバン」ですよ。マイクは「マイク・ワゾウスキ」。思いつきますか?めちゃくちゃかっこいい。僕もコントの台本を書いていて、時々名前をどうしようかと迷うんですけど、世界中の人が呼びたくなって、愛着を持てる名前を各キャラクターにつけているところがすごいです。 ■『トイ・ストーリー3』(2010年)/『トイ・ストーリー4』(2019年)- 全人類、見てください。見て損なしです。 ※つづき(後編)はあす14日に配信。 ■『ピクサー・ベスト』 CD発売中/デジタル配信中 発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 パートナー・レーベルズ