【体験談】共通テストに失敗、第1志望を変更 「どうしよう…」息子に相談された母は
小さい頃からすぐにだれとでも仲良くなれる性格で、人と接するのが大好きな次男が選んだ将来の夢は理学療法士や作業療法士。しかし、実際の受験では大学入学共通テストがうまくいかず、当初の志望先の変更を迫られました。夢を目指して受験勉強に励む息子を家族一丸となってサポートした井原里美さん(仮名)に、どのように大学受験を乗り越えたのかを聞きました。 【写真】作業療法は暗記するものが多い。息子さんのノート
我が家の兄弟は仲が良く、長男の進学した公立高校に、2つ年下の次男も進学しました。2年生から特進クラスと一般クラスに分かれる高校だったため、長男から「特進クラスに入らないと国公立大学への進学は厳しいぞ」とハッパをかけられていましたが、当時の次男はピンときていなかったようです。そのため、高校1年の時は正直、勉強はあまり……という成績でした。 その結果、高校2年の進級時に、次男は特進クラスへ進めませんでした。しかし、そのことで勉強に対する意識が変わったようです。長男がその春、金沢大学理工学域へ進学したこともあって、「私立大学より国公立大学のほうが研究環境はそろっている。合格するには、今のままじゃダメだ」と、勉強に向き合う姿勢が大きく変わりました。 それまでは、友達と図書館などで勉強していましたが、おしゃべりしたり、遊んだりとダラダラして身が入らなかったようです。そこで、2年になってからは、学校でも先生が常にいるような場所で集中して勉強するようになりました。 3年に進級する際、一般クラスと特進クラスで数人の入れ替えがあるため、同じような目標を持つ友人や、1年の頃から仲の良い特進クラスの友人と勉強に励むようになりました。お陰で3年では念願の特進クラスに入ることができました。
次男の夢は「リハビリの仕事」
次男は高校1年の時から、「病気やケガで体力や筋力が低下した患者にリハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士を目指したい」と、将来の目標が明確でした。祖父が脳梗塞を患ってリハビリをしていたため、これらの仕事に興味がわいたようです。 目指す職業が定まっていたので、大学選びは国公立大学で理学療法や作業療法が学べる大学に志望校を絞っていきました。試験科目に数Ⅲがあるところは厳しいと判断したようで、名古屋大学や京都大学などは候補から外しました。「数Ⅲが必要なく、理学療法や作業療法が学べる国公立大学」ということで、第1志望を金沢大学の医薬保健学域保健学類理学療法学専攻に決定。浪人を避けるため、私立の中部大学生命健康科学部理学療法学科を公募推薦*で併願することに決めました。金沢大学にはすでに長男が通っているため、兄と一緒に暮らせることを心強く感じて、第1志望に選んだのかもしれません。 *大学が定める条件を満たし、高等学校長の推薦があれば、大学を問わず出願できる推薦入試制度。併願受験が可能な大学もある。