三笠宮妃百合子さま「斂葬の儀」に愛子さまも黒のベールで参列 1年続く皇室の儀式 なぜ皇族は豊島岡墓地に葬られるのか?
■三笠宮さまの本葬では、石川さゆりさんも参列 そして、葬儀において故人の人柄がにじむのが、参列者の顔ぶれだ。 2016年に逝去された三笠宮崇仁さまの「斂葬の儀」にあたっては、三笠宮さまのご研究仲間のほかに、演歌好きの三笠宮さまがファンと公言し、親しく交流を重ねてきた演歌歌手の石川さゆりさんの姿もあった。 百合子さまは、大正から令和まで四つの時代を生き、皇族として80年という歳月を過ごされた。そのなかで夫の三笠宮さまを支え、5人のお子さまを育ててきた。また、「母子愛育会」の総裁として福祉の向上に取り組み、「民族衣裳文化普及協会」の名誉総裁として着物文化の継承にも力を尽くしてこられた。 この日の斂葬の儀には、旭日重光章の受章者で、75歳の現役バレリーナとして知られる森下洋子さんも参列した。豊島岡墓地門の周辺には、拝礼のために並ぶ人びとが長い列をつくった。 列に並んでいた都内で勤務する男性は「講演会でお世話になったので百合子さまにお礼を伝えたところ、数行ですが直筆のお手紙をいただいて驚きました」と、その人柄を偲んだ。 穏やかで包み込むような優しい方――そんなお人柄を慕う人たちが、百合子さまを見送った。 (AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子