コンビニから消えゆくイートインと雑誌書籍スペース…アパレルやクレーンゲームらが新機軸に
大手コンビニのファミリーマートは、全国約7000店舗に設置するイートインスペースを2000店舗で削減し、順次商品売り場への変更を進める。イートインは購入した商品の飲食のほか、休憩や憩いの場になっていたため惜しむ声が広がっている。 ディスられたファミマ「3990円パーカ」はコスパ絶賛され…コンビニ首位セブンはどう動く? 「場所をとる割に売り上げ貢献度が低いスペースを削減する代わりに、売り場面積を増やすのは合理的ですが、やっていい店とそうでない店があると思います。イートインにはコーヒーやパンを買って休憩するなど一定の需要があるので、床面積が広い郊外店舗のほか、立ち食いそばやファストフード需要のあるビジネス立地の店舗の場合、イートイン削減で他店に客が流れることも考えられます」 消費経済アナリストの渡辺広明氏がこう話すように、同社は条件によってはイートインを継続する店舗もあるという。 「もともと売っているカップラーメンなどの売り場を拡大しても、売り上げ増にはつながりません。昨今は100円ショップなどの影響でガムテープやローソクなど、緊急時に需要のある商品の売り場縮小が目立ちます。こうした日用品のほかに、新たなカテゴリーで需要の掘り起こしが迫られています」(渡辺広明氏) ファミマは今後、オリジナルアパレルのコンビニエンスウエアの売り場拡大のほか、トイレットペーパーや洗剤など生活必需品の品揃えを強化していく。 「ファミマが強化しているアパレルは、ある程度品揃えが必要な商材です。今のところ売れ筋は靴下やハンカチのようですが、商品ラインアップを増やして若者以外の出張族や旅行客に訴求していくほか、長時間営業の強みを生かしてハードルは高いものの、ユニクロなどファストファッションに挑んでいくのではないでしょうか」(渡辺広明氏) イートインのようにコンビニから消えつつあるのが雑誌、書籍スペースだ。来年3月、出版取次大手の日販はローソン、ファミマの計3万店のうち、雑誌や書籍の配送を2万店まで縮小。コンビニは、店内構成を大幅に変えている途上にある。 「ローソンが今年3月から展開を拡大しているのがクレーンゲームコーナーで、これ目当ての来店客がいるなどとても好調で、25年度中に約1000店舗まで広げる見通しです。コト消費など、これまで提供してこなかった商品サービスの展開余地はまだありそうです」(渡辺広明氏) コンビニはどこまで進化するのか。