ファイルーズあい&諏訪部順一&武内駿輔『スター・ウォーズ:アコライト』の魅力と後半の見どころ ダークサイドへの予防策も語る
■ダークサイドに陥らないように…それぞれの対策は?
――メイとオーシャはどんなキャラクターだと思いますか? 【諏訪部】何を言ってもネタバレになりそうなので、自分からは何も言えないですね(苦笑) 【ファイルーズ】そうなんですよ。正義と悪って、見方によっては正反対になり得るんだな、って思いました。メイとオーシャも単純な陰と陽ではない、ということだけはお伝えしたいです。 ――ソルは『イカゲーム』のイ・ジョンジェさんが演じていますが、吹替をしながら感じるソルの魅力は? 【諏訪部】誠実で、ジェダイとしての能力も高いソルは、周囲の人たちから尊敬と信頼を得ている人物です。けれど劇中、何とも言えない複雑な表情を見せるんですよね。その理由が、ストーリーが進むにつれ明らかになっていきます。イ・ジョンジェさんが丁寧に繊細に演じられたソルに合わせ、自分も心情を表現していきました。先々どういう展開になるかは、最初から伺って吹替収録に臨んだので、気持ちの作りに齟齬はありません(笑) ――ソルとともに、ジェダイ殺害事件の謎を追う若きジェダイのヨードは、どのようなキャラクターなのですか? 【武内】ネタバレになっちゃうかもしれないんですけど、ヨードはシンプルに演じられるキャラクターでした。ジェダイとしての誇りをもった真面目で勤勉なジェダイ騎士(ナイト)です。若さゆえに自分の意見を押し通そうとして、マスター・ソルになだめられることもあったりする学生らしいキャラクターでもあります。同じくソルのパダワンで、一緒に事件を追うジェキ(演:ダフネ・キーン/日本版声優:M・A・O)とは優等生同士ゆえの見えない壁、ちょっとした方向性の違いがあって、2人の人間関係はすごく現実的だと思いました。そんな2人のやりとりは時にコメディっぽくも映る。演じていて楽しいキャラクターでした。 ――後半の見どころは? 【諏訪部】序盤はオーシャとソルを中心に話が進んでいきますが、そこから先はどうなるのか…… まぁ、すべては見てのお楽しみということで(笑)。 【ファイルーズ】マスターが鍵を握っていると思うんですよね。マスターをマスターたらしめるものはなんなのか、マスターとはどんな存在なのか。メイが行動を起こした理由にも深くかかわっているソルの過去に注目してもらいたいです。 【諏訪部】これまでのシリーズでも、登場人物たちの心の葛藤が様々描かれてきましたが、『アコライト』でもその中心にしっかりと人間ドラマがあります。まぁ、強いて言うならば、既存作品のオマージュがあちこちにちりばめられていますので、それに気づいた方はぜひニヤニヤしていただきたいですね。あと、ライトセーバーの描写も見逃せないポイントがあると思いますよ。 【武内】戦闘シーンも実践的で、「スター・ウォーズ」の世界観がより現実的になっていると感じました。“血で血を洗う戦い”のような生々しさもあるのでお楽しみいただければうれしいです。 ――最後に、ダークサイドに陥らないために、ポジティブなフォースを送ってくれる存在がいたら教えてください。 【武内】ジェダイ・マスター的な手本とすべき方たちですね。仕事をしていく中で、迷ったり、一人よがりになってしまったりすることもある中で、その時の自分にとっては耳の痛い話もちゃんとしてくれたり、こういう考え方もあるよ、こうすることもできるよ、とアドバイスをくれたりする方が身近にいてくださるので、ダークサイドに陥りそうになっても引き戻してもらっているように思います。いざとなったら助けを求められる師匠、先輩、友達、仕事仲間といった存在は大事だと思います。諏訪部さんもそのおひとりです。 【ファイルーズ】私はペットですね。もし私が心折れて仕事をやめてしまったら、ペットを養っていけなくなる。この子たちを守れるのは私しかいない、という責任感が私を強くしてくれます。今回のアフレコで言うと、バジルというキャラクターがいるんですけど(第4話に初登場)、それがもうかわいくて、バジルが画面に映ると「きゃわいい~」って癒されるんですね。メイやオーシャが苦境に立たされると、こちらも苦しくなってくるのですが、バジルを見るとほほが緩んで、アフレコ頑張ろう、って励まされていました。 【諏訪部】日々多くのみなさんから頂戴する、自分の仕事についてのご感想や応援のお手紙、メッセージにはエネルギーをもらっています。あと、旨いメシと旨い酒ですね。それでしっかりリフレッシュできます。責任感を持って仕事と向き合い、ずっとライトサイドで頑張っていきたいと思います!