除染土再利用「反対」 伊達郡町村議会議長会、異例の要望
東京電力福島第1原発事故後の除染で出た土壌を公共工事などに再生利用する環境省の方針を巡り、伊達郡町村議会議長会は22日、国と県に対し、反対の考えを盛り込んだ要望書を提出した。県内の議長会が除去土壌の再生利用に反対するのは異例。 要望書には「仮置き場から搬出された除染土壌の公共事業への再利用は絶対にしないこと」と明記した。 県内で生じた除去土壌は、仮置き場を経て中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)で保管されている。量は約1300万立方メートルと膨大で、国は放射性物質濃度が1キロ当たり8千ベクレル以下の土壌を「十分に安全」として、適切な管理下で道路などに再生利用する方針。しかし、国が県外3カ所で計画した実証事業は地域住民らの反対で停滞。飯舘村など県内の一部で実施されるにとどまり、国が掲げる全国的な展開は見通せていない。 同議長会は桑折、国見、川俣の3町議会議長で構成する。この要望項目を起案した川俣町議会側は取材に「風評被害の心配があり、町内の公共事業では除去土壌を使わないでほしい」との認識を示した。 会長の高橋道也同町議会議長らが復興庁福島復興局と県庁を訪れ、担当者に要望書を手渡した。このほか、地域医療の充実に向けた支援など4項目を要望した。
福島民友新聞