夏は自己管理が問われる時期でもある。大谷翔平が本塁打王のタイトルを獲れば、日米野球の歴史が変わるほど大きな出来事だ【張本勲の喝!!】
夏を制して強くなれ!
メジャーで本塁打王になった日本人選手はいない。大谷翔平は歴史を塗り替えられるか[写真=Getty Images]
シーズンも後半戦が始まったばかりだが、間もなくペナントレースも8月を迎え、ここからが本当の正念場となる。どの球団も優勝に向けて、あるいは一つでも上の順位にと、さらに気合が入ることだろう。 私の現役時代、この時点でチームの優勝の可能性が絶望的なら、残り試合は個人成績を上げることに集中したものだが、今はクライマックスシリーズ(CS)がある。優勝は難しくてもCSならまだ可能性があるとなれば、下位球団も必死になって戦っていくだろう。ある意味、これがCSのメリットであり、最後まで白熱したペナントレースが見られるというわけだ。 個人タイトルもまったく同じことなのだが、この夏場を制した選手が歓喜の瞬間を味わえるのだ。いくらシーズン序盤に活躍しても、ここで踏ん張らなければ意味はない。マラソンに例えれば、頑張って先頭集団を走っていても、中間地点を過ぎ、勝負どころの終盤に入ると失速してしまうランナーがいる。力がない選手はそこで遅れてしまうのだ。逆に力のある選手はそこからスピードを上げ、そのままゴールへと突き進んでいく。それと同じだ。 また夏場は投手よりも打者が有利と言える。毎日試合に出ている打者のほうが投手よりも疲れがたまると思うかもしれないが、実は投手の疲労のほうが激しいのだ。熱帯夜にマウンドに立ち、全力で100球近くを投げ抜くのだ。さらにリリーフ陣は連投もある。野手が楽だとは言わないが、投手に比べれば疲労度は少ない。だから私は投手がへばる夏場が好きだったし、いわゆる“稼ぎどき”だった。シーズン序盤に比べれば球が来ていないのだ。 そして夏場はシーズンの中で、一番と言っていいほど自己管理が問われる時期とも言えるだろう・・・
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週刊ベースボール