日米で問われる球宴ファン投票の意義。ダルとイチローは出場できるのか
他の日本人大リーガーも残念ながら、今年は揃って厄年のような有様だ。田中将大(ヤンキース)には復調の兆しが見られるものの、前半は苦しむ姿ばかりが目立った。前田健太(ドジャース)は、シーズン序盤で監督の信頼を失い、スポットスターターに甘んじている。岩隈久志(マリナーズ)は未勝利で、今も故障者リストに入ったまま。 マーリンズの田沢純一は、チームから高い期待をかけられて2年契約を結んだものの、今年は序盤から打ち込まれる場面が目立ち、先日、ようやく故障者リストから復帰したばかり。カブスの上原浩治は、今季も好調だが、残念ながらオールスターゲームに選ばれるほど圧倒的な数字ではない。 そうした中で唯一、球宴に選ばれそうなのが、レンジャーズのダルビッシュ有。6勝はリーグ18位タイだが、防御率は3.11で6位。奪三振は115で3位、被打率も上位に名を連ねている。加えてレンジャーズの場合、ダルビッシュ以外に候補がいないという事情もある。 大リーグのオールスターには、各チームから最低一人は出場することになっている。ファン投票、選手投票のあと、最後は監督推薦でロースターを埋めるが、この時、調整が行われるのである。おそらくダルビッシュは選手投票で選ばれるが、たとえそこで漏れても、レンジャーズには他に選ばれそうな選手がいないので、ダルビッシュがチームを代表することになるだろう。 ただし、28日のインディアンズ戦で先発したダルビッシュは、現在のローテーションならば、前半戦最後の9日のエンゼルス戦に先発予定。その場合、これまたオールスターのルール上、登板間隔がないため、彼はオールスターゲームに登板することができない。今年もフィールドで日本人選手を見ることは出来ないかもしれない。もっとも最近は、各チームがエースの疲れを考慮し、オールスターで投げられないようローテーションを調整しているのでは、と疑われるケースが多く、トップクラスの不在は、ダルビッシュだけではないのではないか。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター) ※ 記録はすべて6月30日現在