次期衆院選不出馬を表明 福島県2区の根本氏、30年振り返る 「政策本位貫いた」
次期衆院選に立候補しない考えを正式に表明した元復興相で自民党の現職根本匠氏(73)=福島県2区、当選9回=は29日の記者会見で「政策本位の政治を貫いた」と30年にわたる衆院議員としての活動を振り返るとともに、今後も福島県復興に携わる考えを示した。 ―立候補取りやめを決断した理由は。 「党東日本大震災復興加速化本部長として第13次提言を取りまとめた。岸田文雄首相が自民党総裁選に立候補せず、(首相を支える)役割が終わったという思いや、(党の)『73歳定年制』が念頭にあった」 ―福島県の復興加速化に尽力した。 「震災と東京電力福島第1原発事故からの復興は自らの『天命』だ。復興相に就任直後、省庁の縦割りをなくすための司令塔として尽力した。子どものための屋内運動場整備に向けた予算確保、加速化交付金の創設などにも努めた。今夏の第13次提言では、次期復興・創生期間の財源確保を盛り込んだので政府与党一体で取り組んでもらいたい」
―厚生労働相などとして社会保障制度の改革に取り組んだ。 「2040年を展望した社会保障や働き方改革のビジョンを取りまとめた。保育士や言語聴覚士の国家資格化、障害者対策なども『国民の声を政策に実現する』との信条の下、力を入れた」 ―政策本位の議員として活動してきた。 「声を届けるだけでなく、国を動かすのが政治家だ。司令塔として問題を整理し、束ね、魅力ある地域づくりに貢献してきた。30年の中でやるべきことはやりきった。悔いはない」 ―後継候補への期待と今後の活動は。 「後継となる政治家には使命感と情熱、志を持ち、常に研さんを続けてほしい。私自身は今後、在野の政治家として復興をはじめ地域の課題に取り組んでいきたい」 ◇ ◇ 根本氏は郡山市出身。安積高、東大経済学部卒。建設官僚を経て1993(平成5)年7月の衆院選で初当選した。復興相、厚生労働相をはじめ、厚生政務次官、首相補佐官などを歴任した。衆院の経済産業委員長、東日本大震災復興特別委員長、予算委員長なども務めた。党では中小企業・小規模事業者政策調査会長などを担った。