青森の小学生2人、オーディション勝ち抜きプロと共演 名門・牧バレヱ団「くるみ割り人形」子役に
名門・牧阿佐美バレヱ団(東京)による師走の風物詩「くるみ割り人形」に、子役オーディションを勝ち抜いた青森市の新谷万理沙さん(長島小6年)と平塚愛華さん(三内小5年)がプロのダンサーと共演する。2人は9月下旬から毎週レッスンのため東京へ通い、同バレヱ団指導の下、ほかの子役ダンサーとともに技術を磨いている。本番まで3週間余り。「美しい演技を披露したい」と2人は意気込む。 同バレヱ団は、1962年から毎年12月に「くるみ割り人形」を上演しており、初演から主役のクララ役をはじめ子役は選抜による。子役の中からは国内外で活躍するプロのダンサーを多く輩出している。 新谷さんと平塚さんは青森市のバレエ教室「バレエ&ボディバランススクール アロンジェ」に所属。オーディションには、全国のバレエ教室に通う小学生から中学生まで96人が応募、41人が選ばれた。多くは東京近郊の教室に通う生徒で地方出身者はごくわずかだ。 9月下旬から都内・中野のバレヱ団で稽古がスタート。午後5時半から始まるため、2人は学校を午前で早退し、新幹線で東京へ。午後8時過ぎまでバーレッスンや演技指導を受けてから夜行バスで青森に戻る。本番まで1カ月を切り、今週からは稽古が週2回に増えた。 近ごろは朝起きることもままならない日もあるという新谷さん。「新しいことばかりで大変と思う時もあるけれど、挑戦のしがいがある」と前を向く。昨年、家族で同じ演目を鑑賞した。「自分があの舞台に立てるなんて夢のよう。やり切る」ときっぱり。宿題は移動中に取り組むなど学業との両立も工夫する。 平塚さんは「みんなとても細くて踊りも上手な人ばかり。最初は逃げ出したかった。でも今は助け合えるほど仲良くなった。きれいな衣装を着るのが楽しみ」と話す。 2人が通う教室を主宰する平塚由紀子さん(52)は「本物の総合芸術に触れられるまたとないチャンス。青森との違いや、自分のバレエを見つめ直すいい機会にしてほしい」と話していた。 「くるみ割り人形」は14、15の両日で計3回上演。キャストは各回入れ替え制で、新谷さんと平塚さんは14日に出演する。