【強まる老後不安】6割の人が「年金以外で老後資金に備えていない」。老後に受け取れる年金額はいくら?
将来受け取れる年金額はいくら?仕組みもおさらい
まずは、前章で紹介した調査で、50.4%が不安に感じている「年金制度の仕組み」から簡単におさらいしていきましょう。 日本の公的年金である「国民年金と厚生年金」は2階建て構造で、1階部分は「国民年金」は、2階部分は「厚生年金」となっています。 自分が将来どちらの年金タイプを受け取れるかは、現役時の働き方によって変わります。 ・国民年金のみ受給:自営業者・フリーランス・専業主婦など ・国民年金と厚生年金を受給:会社員・公務員など 国民年金は、日本に住む20~60歳未満の人が原則加入対象なのに対して、厚生年金は公務員や会社員などが加入対象です。 厚生年金は2階部分となるため、会社員や公務員などは国民年金に「上乗せ」する形で、2つの年金を受け取れます。 では、「国民年金のみ受給」と「国民年金と厚生年金を受給」それぞれの平均月額を見ていきましょう。 ●国民年金の平均月額 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額および受給割合は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 【国民年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金は、保険料が一律であることから、受給額に個人差があまりありません。 全体の平均月額は5万円台となっており、国民年金のみの収入で老後の生活費を賄うのは厳しいものと言えるでしょう。 では、国民年金に上乗せして受け取れる「厚生年金」の場合はどうでしょうか。 ●厚生年金(国民年金を含む)の平均月額 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額および受給割合は下記のとおりです(国民年金を含む)。 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 【厚生年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 前述したように、厚生年金は国民年金に上乗せする形で年金受給できるため、国民年金よりも年金額が多いです。 また、厚生年金の保険料は現役時の収入によって変動するため、個人差が大きくなっています。 全体の厚生年金の平均額をみると14万円台となっており、贅沢をしない生活であれば年金だけで生活できる可能性もありますが、現役時の収入と比較すると少ないものとなっています。 上記をふまえ、「年金だけでは老後が不安」と感じる方は、今のうちから年金だけに頼らない備えをしておけると安心できるでしょう。