大里桃子が逆転で3年ぶりV スランプ乗り越え「こんなに早く…夢みたいです」/国内女子ゴルフ
宮里藍 サントリーレディス最終日(9日、兵庫・六甲国際GC=6526ヤード、パー72)首位と1打差の2位から出た大里桃子(25)=伊藤園=が6バーディー、1ボギーの67で回って通算12アンダーに伸ばし、逆転優勝。シードを失った昨年のスランプを乗り越え、2021年「ほけんの窓口レディース」以来となる3勝目を挙げた。今季メジャー最終戦「AIG全英女子オープン」(8月22日開幕、英国セントアンドルーズ)の出場権も獲得。初のメジャー出場に胸を高鳴らせた。 【写真】大会アンバサダーの宮里藍さんからチャンピオンジャケットを着せてもらう大里桃子 鮮やかな復活劇を披露した。最終18(パー4)。ウイニングパットを決めた大里は小さく息を吐いて笑顔を見せると、そっと目頭を押さえた。 「こんなにも早く昨年の不調から復活できて、自分でもビックリ。本当に夢みたいです」 首位を1打追って出た最終日。6、7番で連続バーディーを奪い、単独トップで折り返したが、「緊張して余計な力が入ってしまう」とリーダーボードは一度も見なかった。緊張感が高まる後半も自分のプレーに集中。終わってみれば2位の山下美夢有と2打差で「意外と危なかった」と笑った。 2018年7月のプロテストに合格。翌月の「CATレディース」でいきなり初優勝を飾り、21年には2勝目をマークした。しかし、昨季はショットが不調でトップ10が1度と低迷。メルセデスランキング86位に終わり、初めてシードを喪失し「ゴルフを辞めようかな」とつぶやくこともあった。 だが「守るものがなくなって、逆に吹っ切れた」と前を向いた。ファイナルQT(最終予選会)5位で今季前半戦の出場権を獲得。オフはトレーナーと体の使い方から勉強し直して、スイングを改良した。悩みの種だった腰痛が消えると、昨夏から導入したフェードボールも板についた。 渋野日向子や前週の「ヨネックスレディス」を制した新垣比菜らと同じ1998年度生まれの「黄金世代」。復活を告げる3勝目と同時に、初のメジャー「AIG全英女子オープン」の切符をつかんだ。「メジャーに挑戦できるなんて思っていなかった。まずパスポートを更新しなきゃ」。取り戻した自信を胸に、大舞台でも輝く。(鈴木和希) ■大里 桃子(おおさと・ももこ) 1998(平成10)年8月10日生まれ、25歳。熊本・玉名郡出身。8歳からゴルフを始める。熊本国府高を卒業後、2018年のプロテストに合格。同年の「CATレディース」でツアー初勝利。21年「ほけんの窓口レディース」で2勝目を挙げた。昨季メルセデスランキング86位。QTランク5位。171センチ、60キロ。