コレオレ詐欺?斎藤兵庫県知事、どう語る?公職選挙法違反疑惑 25日に全国知事会議出席
兵庫県知事選を巡り公選法違反の「運動買収」疑惑の渦中にある斎藤元彦知事は25日、首相官邸で行われる全国知事会議に出席する。兵庫県内のPR会社「merchu(メルチュ)」の折田楓代表が斎藤氏の選挙中のSNS戦略についてブログに公開したことを機に浮上した問題の数々。斎藤氏から説明があるか、注目が集まる。 【写真】ミーティングを行う斎藤元彦兵庫県知事と折田楓氏 折田氏はブログに「広報全般を任された」「仕事」などと投稿。公選法では選挙活動で報酬を支払える対象は事務員や車上運動員、手話通訳者らに限定されている。斎藤氏は「公選法に抵触するようなことはしていない」と主張し、メルチュは疑惑浮上直後にブログから、報酬が発生したと取られかねない文章や図解を削除。その理由を説明していない。 また両者の説明に大きな食い違いが起きているのは、SNS戦略の企画立案をどちらが行ったかだ。折田氏はブログで「斎藤氏への世の中の見方を変えていく上で重要だったのが、ハッシュタグ“#さいとう元知事がんばれ”だった」とし、あえて「知事」という言葉を入れ「さいとうさん=知事、という視覚的な印象づけを狙った」と自分の手柄のように説明。SNS戦略の企画立案も対価が支払われていれば公選法違反に該当する可能性があり、斎藤氏の代理人弁護士は「SNS戦略の企画立案などは依頼していない。法で認められたポスター製作などで、相当する金銭の支払いはある」としている。 さらに折田氏はSNS戦略をフェーズ1~3の3段階に分け、それぞれ「種まき」「育成」「収穫」とする図解も掲載。17日の投票活動は「収穫」と呼ばれ、兵庫県内の有権者からは「清き一票を“収穫”だなんて、なにかバカにされた感じだ」との声が上がっている。図解は改訂ブログでは消された。斎藤氏は組織がない“独りぼっちの選挙戦”と訴えていたが、ブログの内容が正しければ、充実したサポートを受けていたことにもなる。 折田氏が一部の文章などを削除したとはいえ、虚偽の資料を誤って公開したとは考えにくい。広告代理店関係者は「もし人の手柄を自分のものであるように吹聴したのなら、業界で言う“コレオレ詐欺”になる。彼女の当初の説明こそが事実で、次の仕事につなげたいとの狙いがあっての勇み足と考えるのが自然だろう」と話した。仮に虚偽資料を公開したのならば、折田氏は兵庫県の地方創生戦略委員、eスポーツ検討会委員、空飛ぶクルマ会議検討委員など公的な要職に就いており、その妥当性が問われる。 ブログの最後に記した「ドラマチックすぎる出来事でしたので、いつか映画化されないかなんて思っています!笑」という一文を削除した折田氏。その結末は当時思い描いていたものと全く違うものになるかもしれない。