育児をする男性の睡眠時間が大幅減少…女性だけでなく男性も子育てと仕事の両立は困難なことが明らかに
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、豊島区の調査で明らかになった約半数の父親が子育てに精神的な負担を感じている件について取り上げました。 ◆育児中の父親「やめたい」が半数近く 豊島区が2歳未満の子どもがいる育児中の男性へのアンケート調査の結果を公表。子育てが「大変」、「つらい」、「やめたい」と感じたことがあるか聞いたところ、「ときどきある」が29.8%、「たいてい」が10.1%、「いつも」が5.4%で、半数近くが精神的な負担を感じていることがわかりました。 また、睡眠時間に関して、「5時間未満」と答えた人は子どもが生まれる前は6.2%だったのに対し、生まれた後は35.3%と大幅に上昇。平均睡眠時間も6.47時間から5.67時間まで減少しています。アンケートに携わった医師で医療ジャーナリストの平野さんは「睡眠時間減少が男性のメンタルヘルスの不調に影響している」と注意を促します。 この結果に、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは「『やめたい』という見出しにびっくりした」と驚きつつ、「いろいろな考え方があると思うが、男性だけでなく女性も含め、僕は(育児は)大変だからとやめられるものではないと思う」と私見を述べます。 キャスターの堀潤は、この調査結果から見て取れる問題の本質に言及。「睡眠不足などの話があったが、要は働き方として偏りがあったり、逆を返すと女性の働き方も含めてもう一度見直していかないと、全方位的に大変になるということ」と指摘します。 コラムニストの河崎環さんは、「これはすごくいい調査」と絶賛。というのも、男性がこんなにも正直に「育児は大変」と声を上げたことが画期的である上に「男性も育児をしたらこれだけ大変だということがわかってもらえたことが大きい」と声を大にします。 さらに河崎さんは、「女性は(育児を)やめたくても『やめたい』なんて言えなかったし、『やめたいですか?』と聞いてもらえることもなかった。ようやくこうして男性が育児に主体的に参加してくれる時代になって、子育てと仕事を両方やるのは男性・女性関係なく大変だという感覚が共有されるようになってきた。これが“令和”だなと思う」と感心しきり。 一方、落語家の林家三平さんからは「(父親が育児を)やめたいというのは、はっきり言ってぼやき。本当にやめたいわけではない」との意見もありました。 ◆平野医師、睡眠時間減少による懸念は… 今回の調査を行った平野さんは、「睡眠時間が減少すればするほど、不眠や鬱など精神的な不調や負担を感じる人が増加している」と警鐘を鳴らします。さらに、現状ではさまざまな制度や支援は“育児=女性”という観点で作られていますが、本来であれば父親・母親ではなく“親”に対して社会的な支援をする体制づくりが必要と訴えます。 古井さんは自身も育児を行う立場から、「会社で育休を取るとか、働きながらというものの目線が、どれだけ厳しいものだったのかということが、やっと分かった」と実感を告白。 総じて林家さんは、「男性は“育児なし(意気地なし)”と言われないようにしないといけない」とうまくまとめると、スタジオからは大きな拍手が。 キャスターの豊崎由里絵は「現状では女性のほうが気持ちを吐露する機会が多い。昼間に無料のベビーマッサージ教室などがあったり、保育園などに預ける際にいろいろと相談しているのも母親が多い。もちろん母親も大変だけど、父親のほうが気持ちを吐露する機会が少ないと思う」と所感を述べます。 これに、林家さんも「絶対に言葉に出したほうがいい、そうすると気持ちも楽になる」と賛同していました。