『南くんが恋人!?』小さくなって気づけた父母の愛 飯沼愛は“たくましい”令和のヒロインに
なぜか身長が15cmになってしまい、ちよみ(飯沼愛)の部屋に身を寄せる南くん(八木勇征)。周囲には旅行に行っていることになっているが……。『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)第3話では、小さくなってしまった南くんの目撃情報が上がる。 【写真】ちよみ(飯沼愛)の腕をガッと掴んだ美鈴(武田玲奈) 生きているだけで危険がいっぱいの南くんを一人にはせず、ずっと一緒にいることを決めたちよみ。胸ポケットに南くんを忍ばせ、学校にも連れていくことにした。そんなちよみの前に現れるのが、南くんの大学バスケ部のコーチ・美鈴(武田玲奈)。圧倒的なエースがいなくなったことでチームはまとまりを失い、困った美鈴はちよみに南くんの居場所を問い詰める。ちよみは何も知らないふりをするが、美鈴は納得がいっていない様子だ。 初めて会った時から、ちよみに対して辛辣な態度で接する美鈴。彼女がちよみを敵視するのは南くんに好意を寄せているからなのだろう。南くんは美鈴だけじゃなくたくさんの女の子からモテモテで、ちよみとのデート中ですら歓声が聞こえてくる。人気者の彼女も楽じゃない。 一方、南くんの服を作るために、手芸部を訪れたちよみ。手芸部の部長である溝口(今井柊斗)はちよみのことが好きで、第1話ですでに告白を済ませている。そんな溝口がちよみに手芸を教える時の距離の近さに南くんは若干スネ気味。他の女の子たちに見せるアイドルみたいな顔ではなく、こういう少し余裕のない表情を見れるのは彼女であるちよみの特権だ。 南くんがちよみに心を許しているのは、小さい頃から一緒に育ってきたのもあるが、ちよみの明るく前向きな性格も関係しているのだろう。恋人が手のひらサイズになってしまうという前代未聞の状況にもかかわらず、あまり動じる様子のないちよみ。学年が違う南くんと一緒に学校に通ったり、誰にも邪魔されずデートができたり、今しか味わえない楽しさを素直に享受できる。凛とした佇まいが印象的な飯沼が体現する、愛らしくもたくましい令和のヒロインだ。 そんなちよみに南くんも感化され、身体は小さくとも心は大きくあろうとバスケ部の問題と向き合う。ちよみを通じ、メンバー全員に的確なアドバイスを伝えた南くん。美鈴も南くんが帰ってくるまでバスケ部のみんなを率いていくと決意し、この問題は事なきを得た。だが、ちよみが小さな南くんを連れているところを久子=チャコ(室井滋)が目撃。その情報は楓(木村佳乃)と百合子(加賀まりこ)の耳にも届く。最初は信じていない2人だったが、ちよみの怪しげな行動から疑惑を深めていくのだった。 そんな中、信太郎(武田真治)が営む焼き鳥店にやってきたのは南くんの父・晴幸(沢村一樹)。2人は離れて暮らしているため、晴幸は南くんがいなくなったことをまだ知らない。だが、父として南くんのことを気にかけていた。幼なじみのちよみと南くんには昔から家族ぐるみの付き合いがある。2人の交際も家族公認だ。けれど、何でも話せる仲の良いちよみの家族とは対照的に、南くんと晴幸の間にはある確執があった。 それは南くんの母・薫子(八木亜希子)が入院していた時のこと。薫子の病気は原因も治療方法も分かっていない珍しい病気だったため、治験に協力させられていた。それを病院側に許可した父を南くんは許せずにいたのだ。けれど、それは薫子の意志であることが分かる。自身の病気が遺伝性の可能性もあるため、「研究が進めば、治療できるようになるかもしれない」と南くんのためにも病院に協力していた薫子。そのことを晴幸が黙っていたのは、南くんに余計な不安を与えたくなかったからなのかもしれない。小さくなったからこそ気づけた父と母の愛に、南くんは涙が止まらなかった。 そんな家族の物語に心が温まる一方、気になるのは薫子の病名だ。遺伝の可能性もあるというその病気は、南くんが小さくなったことと何か関係しているのだろうか。
苫とり子