健大高崎・石垣 高2史上最速158キロ記録 安楽&朗希超えた!衝撃投球でセンバツ当確
「秋季高校野球関東大会・準々決勝、健大高崎10-3佐野日大」(29日、等々力球場) 準々決勝2試合が行われ、健大高崎(群馬)が佐野日大(栃木)を7回コールドで下し4強入りした。今夏甲子園から背番号1を背負う石垣元気投手が、2年生投手では史上最速となる158キロを記録するなど7回3失点の好投。3年連続となるセンバツ出場を当確とした。千葉黎明は昨春センバツ王者の山梨学院を破り、春夏通じて初の甲子園を確実なものとした。 末恐ろしい男だ。春夏2度の甲子園を経験した石垣の進化が止まらない。 「ブルペンから球が走っていた。自分の投球でセンバツを決めようと意識して入りました」 衝撃の1球は2-0の二回だ。2死三塁のフルカウントから投じた内角直球はわずかに外れ四球となったが、球場のスピードガンに「158」が表示されると、どよめきが起こった。13年夏・愛媛大会の済美・安楽智大(前楽天)、18年秋・岩手大会の大船渡・佐々木朗希(現ロッテ)が記録した2年生投手の公式戦最速157キロを更新。打者の福田も思わず腰を引いて後ずさりした。 この回に3四死球で満塁とされ一時逆転の適時二塁打を献上したが、以降は「硬かった」というマウンドにも順応し7回3安打3失点で“完投勝利”。「日頃から『全員で優勝旗を返しに行く』と口にしていたので、まずはセンバツを当確できてうれしい」と笑った。 最速記録はベンチで告げられたというが、「たぶん出てないと思います」と苦笑い。「球が浮いてしまっていたので修正したい。変化球も精度を上げたい」と反省の言葉が先行した。とはいえ、並大抵のことではない。“甘い”とされる等々力の球場表示だが、スカウト陣のスピードガンでも常時150キロ前後を計測。「来年までに160キロ」という右腕の目標も十分に実現可能な数字だ。 阪神・吉野スカウトは「球の強さもあるし、全力でなくても安定して150キロ台が出る」と評価。DeNA・稲嶺スカウトも「力みなく、ゾーンにしっかり球を集められている」とうなずいた。 石垣自身も「高卒でドラフト1位でプロに行きたい」と高みを見据えつつ「ここで終わりではない。まずは関東優勝を目指して」と決意。さらなる成長を遂げ、聖地へ帰る。 ◆石垣 元気(いしがき・げんき)2007年8月16日、17歳。北海道登別市出身。178センチ、75キロ。右投げ両打ち。市立西小1年時に「柏木ジュニアーズ」で野球を始め、西陵中では「洞爺湖シニア」に所属。健大高崎では1年春からベンチ入り。50メートル走は6秒3、遠投は110メートル。理想の直球は「藤川球児さん」。 ◆高校生の主な球速 2年生投手ではこれまで2013年夏・愛媛大会の安楽智大(済美)、2018年秋・岩手大会の佐々木朗希(大船渡)が記録した157キロが最速だった。高校生の歴代で158キロは、高校日本代表候補合宿の紅白戦で佐々木が記録した163キロ、2012年夏の岩手大会で花巻東・大谷翔平(現ドジャース)が記録した160キロに次ぐとされる数字。甲子園では2001年夏に寺原隼人(日南学園)がスカウトのスピードガンで158キロを記録。