石坂浩二「大きなチェンジとなると、やはり“石坂浩二”という名前になった瞬間」石井ふく子との出会いが人生の転機に
プロデューサー・石井ふく子との出会いが役者としての転機
──石坂さんを見出したと言われる、TBSのプロデューサーをされていた石井ふく子さんですね。 ※石井ふく子(98歳)元TBSプロデューサー。その後、フリー。橋田壽賀子や平岩弓枝らとタッグを組み、数多くのホームドラマやヒットドラマを手掛けた。 「それまでいわゆる通行人をしてました。いまで言うエキストラです。そこから、石井ふく子さんに出会ってちょっとした役をやるようになって、『七人の刑事』でも本名の武藤兵吉でやってましたが、そこから1年たってないくらいで三島由紀夫さん原作の『潮騒』をやることになったんです」 (※)1962年放送。石坂さん主演、加賀まりこさんが相手役を務めた。 ──すごいですね。 「そのときに石井さんが、タイトルが出て“伊勢湾の波がこうなって、あなたの名前が出たときに武藤兵吉じゃちょっとイメージが違う。名前を考えましょう”と」 ──それは大きなチェンジですね。 「大きいですよ。“今日から石坂浩二だからね”となったわけですから」 俳優・石坂浩二の誕生。そこから62年。今年は『変な家』『海の沈黙』と映画2本の公開に、ドラマ『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)の放送。そして来年は大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が控える。写真撮影時、壁前でピンと背筋を伸ばして立つ石坂さんの若々しさに、これからも引っ張りだこだろうと確信した。 いしざか・こうじ 1941年6月20日東京都生まれ。慶應大学在学中の1962年にテレビドラマ『七人の刑事』(TBS)でデビューし、卒業後に劇団四季に入団する。TBSテレビのプロデューサー、石井ふく子に見いだされる。NHK大河ドラマに『天と地と』『元禄太平記』『草燃える』3作品で主演。2025年『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で大河ドラマ12作目の出演が決定している。市川崑監督とのコンビでもよく知られており、特に『犬神家の一族』(1976)の金田一耕助役は高い人気を誇る。近年では倉本聰脚本による主演ドラマ『やすらぎの郷』(テレ朝系)が好評を博した。ほか近年の主な出演作に、ドラマ『相棒』(テレ朝系)シリーズ、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)、映画『変な家』(2024)、最新作に『海の沈黙』。 望月ふみ
望月ふみ
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