ネタバレは「絶対NG」な人ばかりではない？

「ガンダム」シリーズ最高の興行収入となった『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ビジュアル　(C)創通・サンライズ

　2024年5月末は、話題作が続々と公開され、アニメ映画ファンにとっては忙しい月末となりそうです。先週5月24日（金）は、アニメ映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』が日本国内で劇場公開、Netflixでの世界独占配信も始まっています。制作はアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」で、『ペンギン・ハイウェイ』（2018年）、『泣きたい私は猫をかぶる』（2020年）、『雨を告げる漂流団地』（2022年）に続き、ファンが期待を寄せている新作です。 【画像】え？　これが「公式がネタバレ」しちゃってる、アニメやゲームのビジュアルです（3枚） 　同日には、幅広い層から人気のクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』初の映画化、『劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』や、YOASOBIのikuraこと幾田りらさん、あのさんが声優として主演を務めることで話題になった『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』も公開されています。 　あす31日（金）には、永野芽郁さん＆高橋文哉さん主演の実写化作品『からかい上手の高木さん』（原作：山本崇一朗／ゲッサン少年サンデーコミックス刊）が公開初日を迎えます。アニメ版も人気を博した『からかい上手の高木さん』は、TVドラマ版が2024年4月から放送中です。実写版の映画は、TVドラマの10年後が描かれます。 　さて、映画の話題作が公開される際、たびたび議論されるのが「ネタバレ」の問題です。映画は金曜日が公開初日となることが多く、平日に休みが取れない人からは、うっかり初日に観た人によるネタバレに出くわさないよう「しばらくSNSが見られない」と嘆く声も聞かれます。 　SNS上では、観客自身が配慮してネタバレを控えたり、伏せ字のツールを使ったりなどする、いわゆる「暗黙の了解」のルールも存在します。また、公式がネタバレのルールを定めた例もあります。『ONE PIECE FILM RED』（2022年8月6日公開）では、公式が「ネタバレ禁止のお願い」として、各種SNS、ブログなどへのネタバレを含む投稿は、「8月15日まで」と期間を定めて控えるように告知しました。 　また、公式が「事前にあらすじを出さない」というケースもありました。『THE FIRST SLAM DUNK』（2022年）では、TVアニメ版（1993年～）から声優が交代するという情報は発表されたものの、「どんなエピソードが映画化されるのか」は公開まで明かされませんでした。声優交代の発表前に前売りチケットが販売開始されたこともあり、公開日前まではネガティブな反応が目立ちました。しかし、実際に本編を観た人は、評価を一転。「ネタバレされる前に早く観に行ったほうがいい」という声があがりました。事前情報がない状態で観た、期待以上の作品の出来に、感動が増幅されたようでした。 　公開後はというと、近年では「情報を小出しにしていく」という手法がとられるケースが多いようです。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』（2024年1月26日公開）では、公開から土日を挟んでの29日（月）に「ネタバレ含む」と表記したうえで、公式サイトに新モビルスーツや搭乗者、ガンプラ情報などが掲載されました。また、公開から1週間となる2月1日（木）に、本編冒頭映像が公開されました。 　福田己津央監督は本作のネタバレについて、X（旧：Twitter）にて、「今回は極力ネタバレをしないように関係各所にお願いしてました（中略）正直言えば予告も冒頭先行公開もしてほしくない（中略）流石に何もなしでは周知もできないので、今回映画の関係者の方たちは本当に苦労されたと思います」と本音をつづっています。福田監督は公開後、数日にわたって本編の裏話をポストし、ファンを喜ばせました。 　ところが、劇場での興奮を最高のものにするため、まっさらな状態で観たい、と思う人が多い一方で、「ネタバレされてもいい」という人もいます。「さすがに物語の結末は先に知りたくないけれど、それ以外ならかまわない」とのことで、事前にある程度、情報を把握しておいて、劇場でじっくり作品を楽しみたいという考えの人も少なくないようです。また、好きな作品は何度も観に行くから、1回観ただけでは難解な作品もあるから、という理由で、ネタバレを気にしないタイプの人もいるのです。 　皆さんは、映画のネタバレは「あり」、「なし」どちらでしょうか。