【保存版】年末調整の「扶養控除等申告書」、どこに何をかけばいいの?税理士がわかりやすく解説
1. 氏名、住所などの記入(図表2)
氏名や生年月日、住所などを記入していく欄ですが、❶所轄税務署長等、❷給与の支払者の法人(個人)番号あたりは会社側が記入してくれているでしょうし、❹従たる給与についての扶養控除等申告書の提出はほとんど使わないので無視してもいいでしょう。 ❸あなたの個人番号については、会社側でマイナンバー(個人番号)を記載した帳簿が作成されていれば書かなくていいので、マイナンバーの記載が必要かどうかは会社に確認してください。 なお、配偶者や扶養親族についてもマイナンバーの取り扱いは同じです。
2. 源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族の記入(図表3)
❶A 源泉控除対象配偶者 源泉控除対象配偶者とは、令和6年の所得の見積額が95万円以下(給与収入のみなら年収150万円以下)で、かつあなた本人の所得の見積額も900万円以下(給与収入のみなら年収1,095万円以下)である場合の配偶者のことをいいます。 (※あなた本人に23歳未満の扶養がいるなど所得金額調整控除の適用を受ける場合は、年収1,110万円以下で所得900万円以下となります。) なぜこのような定義になっているのかと言えば、配偶者がこれに当てはまれば、配偶者控除38万円か、配偶者特別控除満額38万円のどちらかが受けられるからです。 配偶者がこれに当てはまる場合、配偶者の氏名、生年月日、住所などを記入してください。住所はあなた本人と同じであれば同上でいいと思います。 「令和6年中の所得の見積額」は、給与の年収から給与所得控除額55万円を差し引いた金額を記入してください。例えば、年収が103万円であれば、所得はそこから55万円を引いた48万円となります。見積なので大体の金額で構いません。 配偶者が事業所得者である場合、事業所得は売上から必要経費を引いて残った利益から、青色申告特別控除最大65万円を差し引いた金額となります。こちらはさらに見積が難しいですが、前年の所得などを参考におおよその金額を記入しましょう。 ☆参考:各所得の計算方法 ・給与所得=年収-給与所得控除額 ・事業所得=収入-必要経費-青色申告特別控除最大65万円 ❷B 控除対象扶養親族 控除対象扶養親族とは、生計を一にする16歳以上の親族で、所得が48万円以下(給与収入のみなら年収103万円以下)の人のことをいいます。 同居している16歳以上の子や親などの控除対象扶養親族がいる場合、扶養親族の氏名、生年月日、住所などを記入してください。 こちらも住所はあなた本人と同じであれば同上でいいと思います。 16歳未満の扶養親族については、児童手当(子ども手当)が創設されてから扶養控除が受けられなくなってしまいましたので、「4. 住民税に関する事項の記入→❶16歳未満の扶養親族」の部分に記入してください。 なお、親族と別居している場合でも、休暇の間は一緒に生活していたり、常に生活費や学費、療養費等の送金が行われていたりすれば、「生計を一にする」ものとして扶養親族に該当します。 また、親に年金収入がある場合の「令和6年中の所得の見積額」は、親が65歳未満なら年金収入から公的年金等控除額60万円を差し引いた金額、65歳以上なら年金収入から公的年金等控除額110万円を差し引いた金額を記入してください。 ☆参考:各所得の計算方法 ・公的年金等に係る雑所得=年金収入-公的年金等控除額 ❹老人扶養親族の部分 控除対象扶養親族が70歳以上で、かつ同居しているあなたか配偶者の直系尊属(親や祖父母)であれば「同居老親等」、そうでなければ「その他」にチェックを入れてください。 扶養控除の金額は、一般の控除対象扶養親族であれば38万円ですが、同居老親等にチェックが入っている老人扶養親族であれば58万円、その他の老人扶養親族であれば48万円に変わります。 ❺特定扶養親族の部分 控除対象扶養親族が19歳以上23歳未満の場合にチェックを入れてください。 ここにチェックが入っている特定扶養親族の扶養控除は63万円と大きくなります。大学生にあたる年齢なのでお金がかかるからですが、大学に通っているかどうかは関係ありません。 ❻非居住者である親族の部分 親族が国外に住んでいる場合に使うものですが、紙面の関係上割愛します。