「やっと前に進める」巨人の34歳苦労人が7年ぶり3安打 2年前左膝じん帯損傷した所沢で走守でも魅せた
◆日本生命セ・パ交流戦 西武1―7巨人(2日・ベルーナドーム) 恐怖の9番打者が阿部巨人に新風を吹かせた。立岡宗一郎外野手(34)が走攻守でハッスル。決勝打を含む3安打1打点で17年5月18日ヤクルト戦(東京D)以来、2572日ぶりの猛打賞に「3本全部、得点に絡んだので」と充実した表情で振り返った。 0―0の5回、秋広が安打、小林の犠打で2死二塁となり、立岡がボーから左前適時打。丸、ヘルナンデス、吉川も続いて4連打で3点を先制した。7回も再び立岡から3番・吉川までの4連打で3得点。「9番ですし、ああいう形で塁に出れば、ああいう攻撃になると思うので」。9回も先頭で左前安打を放って追加点につなげた。 5月21日、左膝の故障による育成契約から2年ぶりに支配下登録に復帰して即1軍昇格した。初打席から9打数無安打で試合前まで打率1割3分6厘。「電光掲示板の打率は見ないようにずっとしていました」。余計な力が入らないよう、目の前の投手に集中してきた。「3本打った後、初めてちらっと見ました」。気づけば2割3分1厘だった。 阿部監督は「らしさがやっと出てきたなと思いますし、元々あれぐらいはできる選手なのは知っているので」とたたえた。7回1死二、三塁では相手暴投で三塁から好スタートしてヘッドスライディングで生還。「ヒットと同じぐらいうれしい。走塁はこだわり持っているので」と躍動した。 中堅の守備では8回にダイビングキャッチ。22年6月9日、同じベルーナDの西武戦の守備で左膝前十字じん帯を損傷した悪夢を完全払拭(ふっしょく)し「やっと前に進める感じがします」。34歳の苦労人が打って、走って、守って新たな一歩を踏み出した。(片岡 優帆)
報知新聞社