老後に年金を「月20万円」以上もらう人は本当にいますか? 現在35歳で「年収350万円」ですが、65歳の定年までいくら収入を増やす必要があるでしょうか?
「老後は年金と退職金があれば悠々自適に暮らせる」時代はもはや終わったといっても過言ではありません。定年退職後も再雇用やパート・アルバイトなどで働き続けるケースも少なくないでしょう。 生涯現役を目指して収入を年金に依存しない仕組みを構築することは重要ですが、できるなら年金のみで日常生活でかかる支出をカバーしたいと考える人も多いのではないでしょうか。 本記事では、年金だけで月額20万円以上もらう人はいるのか、現在「35歳・年収350万円」の人が将来年金を毎月20万円もらうには65歳定年までにいくら収入を増やす必要があるのか解説します。 本事例では、話を分かりやすくするため、厚生年金には22歳から65歳まで加入し、国民年金や厚生年金保険料の未納や免除などの期間はなく満額納付しているものとします。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
年金を月額20万円もらう人はどのくらい?
一般的に老後に受け取れる公的年金は、大きく分けて「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。 老齢基礎年金は国民年金、老齢厚生年金は厚生年金に加入して保険料を納付することで受給資格が得られ、一般的な会社員の場合は両方に加入しています。ただ、実際の受給額は負担する保険料や加入期間、未納や免除の有無などによって変化するため一概にはいえません。 老齢基礎年金は2023年度の場合、満額で月額6万6250円受給できます。そのため年金全体で月額20万円以上もらうには、老齢厚生年金を13万3750円以上受け取れるようにしておく必要があります。 年金受給者の総数や金額ごとの割合は、厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認できます。2022年度末時点で、老齢厚生年金を月額14万円以上受け取る人の割合は約52%、老齢厚生年金のみで月額20万円以上受け取っている人の割合は約15%です。 基礎年金を考慮せず厚生年金のみで月額20万円以上もらう人の割合は少なく、全体でみても人それぞれもらえる年金額に違いがあることが分かります。