【大学野球】渡辺憩は慶応のイケメン枠筆頭 丸田に夏の主役譲り「取られちゃいましたね~」…リーグ史上初の初打席代打サヨナラ弾
◆東京六大学野球 春季リーグ戦 第3週第3日 ▽慶大2×―1法大=延長12回=(29日・神宮) 昨夏の甲子園で優勝した慶応(神奈川)の捕手で、慶大に進学したルーキー・渡辺憩が、法大戦で東京六大学リーグでは史上初の初打席代打サヨナラ本塁打を放った。1―1で引き分け寸前だった延長12回1死無走者から、真ん中高めの直球をレフトスタンドに運んだ。扇の要として慶応の107年ぶりの夏の日本一に貢献した実力を神宮でも見せつけ、慶大に2つ目の勝ち点をもたらした。 * * * 昨夏の甲子園で慶応が107年ぶりの優勝を果たした原動力の一人が、正捕手の渡辺憩だった。普段は個人名を挙げない森林貴彦監督が、準々決勝・沖縄尚学戦の前にキーマンを問われ、「強いて言えば、捕手の渡辺憩。投手交代は彼と相談しながらやります。配球は彼が中心なので、彼の頭の冴(さ)え方がチームの命運を握る」と語っていたほどだ。小宅雅己、鈴木佳門の2年生投手が実力を発揮できるよう、引っ張っていた。 キャッチング技術が高く、打撃面も非凡なものがあり、2年秋の神奈川大会4回戦・日大高戦と3年春の同準決勝・横浜隼人戦ではともに満塁本塁打。夏の甲子園全5試合でヒットと、勝負強さも本物だった。慶大は昨年の大学日本代表に選出された正捕手の宮崎恭輔(現パナソニック)が今春、卒業したこともあって、堀井哲也監督は早い段階から期待を口にしていた。 夏の甲子園では丸田湊斗が「慶応のプリンス」「美白王子」としてブレイクしたが、実はもともと、慶応の「イケメン枠」筆頭は渡辺憩。主役を譲ったことを聞くと「取られちゃいましたね~」と笑顔で語っていた。4年間、攻守にわたって、神宮の顔になることだろう。(加藤 弘士)
報知新聞社