「紅麹」「麹」違いを解説 農水省、風評被害防止へQ&A
行き過ぎた対応防ぐ狙い
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントによる健康被害問題で、農水省などは10日、同社製造の「紅こうじ」と、発酵食品の原料に使われる「こうじ」との違いなどを解説するQ&Aを公表した。政府の公式見解を示し、類似食品への風評被害を抑える狙いだ。 同省と消費者庁、厚生労働省が作成。「小林製薬が製造する紅麹(こうじ)に関するQ&A」と題し、ホームページで公開した。回収命令の対象となっている同社の3製品以外にも、回収などの動きが広がっているため、行き過ぎた対応を防ぐ狙い。 Q&Aでは、こうじと紅こうじは、名前は似ているが、異なる種類のかびを利用して作るため「違うもの」だと説明。こうじはアスペルギルス属、紅こうじはモナスクス属の菌を増殖させて作る。 かまぼこの色付けなどに使うベニコウジ色素とも違う。小林製薬の紅こうじ原料は米に紅こうじ菌を加えて培養し、加熱などをして作る。一方、他社のベニコウジ色素は、紅こうじ菌の培養液から抽出する色素が主成分で、食品衛生法に基づく規格に適合したものが販売されているという。 Q&Aは、今後の原因究明などを踏まえ順次内容を充実させる。