日本の南で台風の卵、続々と発生か 9月は台風シーズン 動向に注意
日本の南海上にはまとまった雲の渦がいくつか見られます。台風11号は南シナ海を西寄りへ進み、日本からは離れるでしょう。日本の南東海上にある熱帯低気圧はゆっくり北上しています。今後も日本の南海上では新たに熱帯低気圧が続々と発生する予想で、動向に注意が必要です。
日本の南 広い海域で海面水温が27℃以上
上の図は、昨日2日午前11時の海面水温の様子です。日本の南にゆっくりと近づき長期間影響を及ぼした台風10号の通過によって、海水がかき混ぜられ、台風接近前と比べると、海面水温がやや下がりました。それでもまだ日本の南の広い海域で、台風が発生しやすい海面水温でもある27℃以上となっています。 平年値と比べると、沖縄の周辺は赤色でやや高めですが、西日本や東日本の南の海上は白色で平年並みの所が多くなっています。
台風11号は南シナ海を西進 日本から離れる
1日午後9時に発生した台風11号、今日3日正午には南シナ海を時速20キロで西北西へ進んでいます。 中心気圧は998hPa、中心付近の最大風速は20m/s、最大瞬間風速は30m/sです。 今後、発達しながら南シナ海を西寄りへ進み、6日には非常に強い勢力となる見込みです。日本からは次第に離れるため、直接の影響はありませんが、この方面へ向かう船舶は注意が必要です。
熱帯低気圧が続々と発生予想 動向注意
今日3日正午の時点で、日本の南東海上には熱帯低気圧があり北上していますが、この熱帯低気圧による大きな影響は今のところなさそうです。 明日4日以降、今後の予想天気図を見ても、日本の南は次々と熱帯低気圧が発生しやすい状況となるでしょう。 新たに発生する熱帯低気圧が、4日から5日にかけて小笠原近海へ近づくおそれがあります。 また、別の熱帯低気圧が発生し、沖縄に近づく見込みです。沖縄付近で動きが遅くなる可能性があり、今後の動向に注意が必要です。 9月は台風シーズンです。年間の台風の平年値は、発生数は8月が最も多く5.7個ですが、9月はそれに次いで2番目に多く5.0個となっています。また、台風の接近数は8月と9月は年間で最も多く3.3個、上陸数は8月が0.9個、9月が1.0個と年間で最も多くなります。台風が発生している際には、台風情報に十分注意し、影響がないかご確認ください。 ※気象庁では「接近」は台風の中心が国内のいずれかの気象官署から300 km以内に入った場合、「上陸」は台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を指しています。
日本気象協会 本社 石榑 亜紀子