W杯アジア2次予選、森保ジャパンの“ベストメンバー”招集は是が非か? 欧州組の「環境の変化」と、幻となった「2チーム編成」
2026年北中米ワールドカップアジア2次予選のミャンマー戦(16日)とシリア戦(21日)に向け、日本代表の森保一監督は現状のベストメンバーを招集した。一方、14日に大阪市内で行われた日本代表の練習は、フルメニューを消化した選手がわずか9名という事態に。ヨーロッパの国際大会で活躍する選手が増え、過密日程と長距離移動によるケガのリスクが高まる中、ベストメンバーで臨む意義とその是非について考察する。 (文=藤江直人、写真=アフロ)
2日前の練習でフルメニュー消化はわずか9人。前日合流の選手も
ミャンマー代表戦を2日後に控えた緊張感は、とてもじゃないが伝わってこない。14日夕方から大阪市内で行われた日本代表の練習で、フルメニューを消化したフィールドプレイヤーはわずか9人だった。 キャプテンの遠藤航や久保建英、守田英正、上田綺世、10月シリーズは体調不良で選外だった鎌田大地や堂安律ら9人は軽めのジョギングでコンディション調整。その後に室内へと姿を消していった。 冨安健洋は完全別メニューでの調整を強いられ、三笘薫にいたっては宿泊先のホテルで静養に努めた。2人とも故障ではなく、日本サッカー協会(JFA)は「蓄積した疲労を考慮した」と説明したが、一夜明けて足に違和感があるとして、三笘の離脱がJFAから発表された。 さらにベルギーから経由地へ向かう便が欠航になった影響で帰国が遅れた2人、町田浩樹とケガで辞退した前田大然に代わって招集された渡辺剛は練習が行われているときに関西国際空港に到着していた。 町田も渡辺もミャンマー戦前日は、時差ぼけの解消を含めたコンディション調整が必要になる。冨安も試合が行われるパナソニックスタジアム吹田のピッチにはおそらく立たないだろう。 もっとも、フルメンバーで練習ができない事態は早くから予想されていた。ヨーロッパ組の選手の大半が、12日の日曜日に所属クラブでの国内リーグ戦に臨んでいた。ミャンマー戦が16日の木曜日に開催されるスケジュールを受けて、森保一監督は10月の段階でこんな言葉を残していたからだ。 「ということは、週末のリーグ戦を戦ったヨーロッパ組の選手たちのなかで、最後に合流する選手は火曜日もしくは水曜日になる場合もある。これでは練習する時間もほとんどない。選手たちの体調面で言えば、リカバリーする時間もほとんどない状況で公式戦を戦わなければいけない」 実際に航空便のアクシデントもあって、町田と渡辺はミャンマー戦前日の水曜日にチーム練習へ合流する日程を余儀なくされた。