「遺品整理を家族で分担」はむしろ逆効果!遺品整理で陥りがちな「袋小路」についてプロ業者が徹底解説
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第19回 『親も親族も頼りにできない! 遺品整理の現場で起きる、想像以上の「困難」』より続く
きょうだい・親族というハードル
残された親の同意を得るだけでも難しいことに加え、たとえ両親とも亡くなられている場合でも、遺品整理は自分の一存でできないことも問題を複雑にする。 一般的にいって、兄弟姉妹がいれば遺品を整理することに同意してもらわねばならない。兄弟姉妹は亡くなられた両親の相続人でもあり、同意がなければあとでトラブルになったりする。そのうえで、実際の整理作業にも協力してもらうことが望ましい。 それ以外にも問題がある。 トラブルめいた現場で体験するのは、兄弟姉妹の配偶者(義理の兄弟姉妹)とか両親のきょうだい(おじ・おば)など、相続人ではない親戚が関与してくることだ。親族中で、なにかと発言力のあるような人が介入してくるケースは少なくない。 だが、遺品整理となれば、こうした人たちにも協力してもらわねばならない。口を挟むだけに、一方では親切に作業を手伝ってくれることもある。そういう場合には、手伝ってもらうためのスケジュール調整も必要になってくる。
遺品整理で考えておくべきこと
それらを踏まえたうえで、なにを残し、なにを処分するのか、遺品整理の方針を決めなければならない。そして、自分たちだけですべてやれるのかを冷静に判断する必要が出てくる。 このとき、遺品を整理すると予想以上に大量の廃棄物が出ることを見落としてしまいがちだ。 もし自分たちで処分し、ゴミ収集に出すのであれば、地域の決まりに従って分別をしてからゴミ出しする必要があるが、みなその土地のルールに暗く、慣れていないために分別に困難を抱えることがよくある。 大型ゴミは有料のケースもあり、種類ごとに収集スケジュールを市町村に確認することも必要となる。それら一連のことについて確認してからでないと、自分も、手伝う人も、仕事の休みをいつ取ったらいいのかすら決まらない。 『「ゆっくりしていると法律違反に」…短すぎる遺品整理のタイムリミットと本当に頼るべき「人材」』へ続く
赤澤 健一(グッドホールディングス株式会社代表取締役社長)