親子で作り上げる中学3年生コスプレイヤー・Kapoさん「夢は自衛隊の医官として南極へ行くこと」
学校でも有名になっちゃって
――では、今日のコスプレを選んだ理由を教えてください。 Kapoさん これは単純に『姫様“拷問”の時間です』(原作:春原ロビンソン、漫画:ひらけいによる漫画)のアニメが大好きなので。あ、でも実は最初は姫様じゃなくて、別のキャラクターのコスプレをする予定だったんです。 ――変更した理由はなんですか? Kapoさん 今はジュニアコスプレイヤーという枠で活動しているんですけど、来年、高校生になったら、普通のコスプレイヤーとして見られますよね。だからそろそろジュニアっぽくないようなキャラもやろうって思ったんです。この作品に出てくる姫様を拷問するトーチャー・トルチュールっていう大人っぽいキャラのコスプレをやろうと衣装も買って、準備したんですよ。そしたらパパとママに「やっぱり姫様の方がハマりがいいよね」って言われたんです…。 ――ご両親の意見だったんですね。 Kapoさん アニメを見続けているうちに自分でも「確かに!」って思って。姫様は丸顔だし、美味しいものに目がない感じで誘惑にもすぐ屈するんだけど、決めるときはビシっと決める、めっちゃ大好きなキャラクター。顔の特徴といい、性格もめっちゃ似ていて、最終的には私が姫様に決めました(笑)。 ――自分に合ったキャラクターがしっくりきたんですね。 Kapoさん ある程度はメイクを研究して似せることはできるかもしれないけど、もともと似ている方が自然に近づけるし、自分のモチベーションも高くなるので、ある程度自分に近いキャラを選ぶようにしています。 ――今日の衣装のこだわりを教えてください。 Kapoさん ママが1枚の大きい白い布から作ってくれました。あと、足についている鉄みたいに重そうなパパの手作り足枷は、発泡スチロールなので本当はめっちゃ軽いんですよ。 ――家族で作り上げたんですね。学校の友達から反響はありますか? Kapoさん 学校の知らない先輩とかに、ロッカーで会ったとき、初対面なのに「あっ」って言われて。「何?面識ないよね?誰?」って思ったら、同級生がその先輩に私がコスプレをしているって話してたらしく…。もう学校中に知られちゃって、なんかある意味で有名人みたいです(笑)。 ――学校で知られて困ったことはないですか? Kapoさん うちの学校はいい人が多くて、別に馬鹿にされるわけじゃないから、そこまで嫌ではないかな。後輩ちゃんにも知れ渡っているから、「すごいですね!毎日X見ています」って言われたりして、「見なくていいよー!恥ずかしい」って思いつつ、実際見てくれてるのは嬉しいですね。 ――人気者なんですね、来年高校生ということで目標があれば教えてください。 Kapoさん コスプレは6年もやってきたから、昔と比べた時に自分で「成長したな」って思えるようになりたいです。あとは「コミケ」とかイベントに行くと、カメラマンさんたちがめっちゃ並んでくれるんですよね。これから高校生になるんで、今までみたいに「子供のレイヤーは珍しいから撮る」みたいなアドバンテージがなくなっても、ちゃんと作品として評価してもらえて、まるでアニメの世界から出てきたと思われるようなコスプレイヤーになりたいな。 ――最後に将来の夢はありますか? Kapoさん よく「プロコスプレイヤーになりたいの」って聞かれるんですけど、実は夢はコスプレとは関係なくて。小さい頃からお医者さんになりたいと思っていました。めちゃめちゃ具体的に言ったら、医官として南極に行きたくて。 ――壮大ですね! Kapoさん 南極を舞台にした『宇宙よりも遠い場所』(マッドハウス制作によるテレビアニメ)というめちゃくちゃ大好きなアニメがあるんですけど、それを観たときに「私も南極に行きたい!」って思ったんです。でも、それまでの夢がお医者さんだったから、「これ2つとも叶えられないかな?」って考えていたら、実際に「しらせ」(海上自衛隊に所属し、南極地域観測協力を行う自衛艦)で南極に行ったという海上自衛官の方に話を聞く機会があって、「自衛隊の医官っていうお仕事があるよ」と教えてもらったんですよ。南極観測船の中にも医務室があって、長い航海ですからお医者さんは絶対必要で。そのために海上自衛隊から医官が派遣されると聞いて、“これだ!”って思いました。 ――勉強も訓練も大変そうです。 Kapoさん だから中学受験も頑張ったし、今も毎日勉強頑張っていますよ。以前、防衛医科大学校の見学にも行かせてもらったんですけど、お会いした女性の先輩がもう、めちゃくちゃかっこよかったです。私も海上自衛隊の医官になって、南極に行きたいです!
ひがけん