「日本中とつながる魅力」季節を彩る「絵手紙」で発信 年齢にとらわれず地域盛り上げ 三重・亀山市
特集:色とりどりの絵手紙を作成する亀山市の文化サークル「関宿絵手紙SEN」を主催する伊藤千恵さん(三重テレビ放送)
日本の四季を彩る「絵手紙」の魅力を伝え、地域を盛り上げようと尽力する、三重県亀山市の女性の取り組みとその思いについて取材しました。特集です。 色とりどりの絵手紙を作成する亀山市の文化サークル「関宿絵手紙SEN」。このサークルを主催するのが亀山市に住む伊藤千恵さんです。 「昔、職場で女性のサークルを作って講師を探しているときに、絵手紙の講師を紹介されたことが、取り組むようになったはじまり」と話す伊藤さんは17年前から、このサークルで絵手紙の作り方を教えています。 伊藤さんが「絵手紙は旬が大事、旬のものから感動をいただいて表現する。そこを大事にして、皆さんには季節感を味わってもらっている」と絵手紙づくりの際の心がけを話すと、メンバーは「書くまでがひと苦労だが楽しい」「ずっと伊藤さんに頼り切っている」「秋だったら栗や梨など、この季節にはこういったものがあるんだなということを感じるようになった」と、活動から得る楽しさを感じていました。 伊藤さんは、その積極的な取り組みが認められ、今年9月、内閣府の「エイジレス章」を受章しました。 この章は、年齢にとらわれず自由で生き生きとした生活を実践する人に贈られます。 伊藤さんは「手紙文化そのものが衰退している中で、絵手紙の楽しさを知ってもらえば書く人も増えるのではないか。少しずつではあるが観光振興にもつなげていきたい」と話しています。
「関宿絵手紙SEN」では、自分たちで作成した絵手紙を、毎月、JR関駅で展示しています。 今回は「秋」をモチーフにしたものや、童謡の世界を表現した作品などを展示。県内外から訪れる観光客を楽しませています。 亀山市観光協会の本間一也事務局長は「旅行に来られた方から、奇麗だなという感想を聞く。特にご年配の女性に喜んでいただいている。地域の話題や季節の様子が、絵手紙で表現されている。こういったものがあるのかと、感動を持つお客さんもいる。伊藤さんの取り組みは趣味の延長で、こういったことがしたいという「自己実現」のかたち。絵手紙を見ていただくことで、地域の盛り上げにつながっている。観光客のおもてなしという面で、地域の人と一緒になって盛り上げるというかたちが実現されている」と、その効果を実感しています。 「絵手紙の魅力を多くの人に伝え地域を盛り上げたい」。そんな思いを持ちつつ伊藤さんはこれからも楽しみながら活動を続けます。
伊藤さんは「私自身の体験の中で、絵手紙を通して日本中たくさんの友達と出会うことができた。その出会いから色々なことを学ぶことができた。絵手紙を通してつながることの魅力も、皆さんに伝えていきたい」と今後の活動について意気込んでいます。