ドジャース対メッツ　リーグ優勝を決め、シャンパンファイトを楽しむドジャース大谷（代表撮影）

＜ナ・リーグ優勝決定シリーズ：ドジャース10－5メッツ＞◇第6戦◇20日（日本時間21日）◇ドジャースタジアム 　【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）20日（日本時間21日）＝斎藤庸裕、四竈衛】ドジャース大谷翔平投手（30）が、悲願のワールドシリーズ（WS）制覇への挑戦権を得た。ポストシーズンを通じ、1番打者で打線をけん引。3度目のシャンパンファイトでこれまで以上にはしゃぎ、山本由伸投手（26）ら同僚と歓喜の美酒を味わった。頂上決戦の相手は東の伝統球団ヤンキース。主砲アーロン・ジャッジ外野手（32）、ゲリット・コール投手（34）らスター軍団との対決に臨む。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　大谷は3度目のシャンパンファイトを思う存分、楽しんだ。ビールを頭から流され、泡まみれの顔を素手でぬぐいながら、テレビ局のインタビューで喜びを語った。「何回やってもいいもんだなって。最後もう1回、これをやって今年終わりたい、そういう気持ちです」。大谷の独特の高笑いと大音量の音楽が響くクラブハウス。ロバーツ監督には前から、先発のフラーティとは肩を組んで、勝利の美酒を流し合った。 　勝つことを渇望し続け、悲願のワールドシリーズ（WS）制覇へ挑戦権を得た。昨年9月、右肘に2度目のメスを入れ、移籍1年目は打者専念で臨んだ。「手術したり、去年はいろいろありましたけど、1年でここまで来られて、あともう少しなので、最後まで走り抜けたい」。エンゼルス時代の過去6年間は、自らのパフォーマンスと勝利がかみ合わないことも多々あった。だが、世界一になる目標がブレることはなかった。「ずっと出たい、プレーしたいなと思った場所なので」と、待ち続けた念願の大舞台。記者会見では開口一番「やっと来たな」と、率直な思いを口にした。 　全員野球に欠かせない一員として、自らのバットでWS進出をたぐり寄せた。初回の安打から1得点をマークし、大谷がホームを踏めば今シリーズ負けなしの不敗神話で勢いに乗った。6回無死一、二塁の第4打席では、メッツ4番手の右腕スタネクの高め速球を中前に運ぶ適時打をマーク。リードを広げる貴重な打点を挙げた。「本当に勝ててほっとしているのと、いよいよワールドシリーズだなって。そういう気持ちで一杯」。次なるステージへ胸を躍らせ、感慨に浸った。 　立ちはだかるのは東海岸ニューヨークを拠点とするスター軍団だ。主砲ジャッジや左の強打者ソトを擁するヤ軍との対決に「素晴らしいチームですし、1人1人、今名前が出た選手以外も素晴らしい選手ばかり。本当にこれからも全員の力で頑張っていきたい」と意気込みを口にした。世界一まで、あと4勝。25日（日本時間26日）からまずは本拠地で2連戦を戦う。「10月のこの時期までプレーできるのは一握りのチーム、選手たちだと思うので。その時点で恵まれている」。感謝の気持ちを胸に、激動のシーズンのフィナーレを飾る。 　○…大谷は3度目のシャンパンファイトを経験したが、米国で祝賀行事に付きものとなる葉巻はふかしていないと明かした。「葉巻は試してないですね（笑い）。みんなでこうして楽しめて何よりですし、いよいよ最後のステージに来たなと実感している」。ロバーツ監督や最後を締めたトライネンらは、煙のにおいを楽しんでいた。 　○…ワールドシリーズがドジャース－ヤンキースと伝統球団同士の対戦に決まり、米メディアも大騒ぎとなった。AP通信は「ブロードウェイ対ハリウッド」「地下鉄対高速道路」「ジャッジ対大谷」「ピンストライプ対パントーン294（ドジャーブルーの色見本）」などと評した。ドジャースのベッツは「皆さんも僕らも望んでいたこと。国を横断する長いフライトが続くが、それも楽しみ」と注目の高さを感じていた。