田中佑典「今がピークのよう。誰も予想していなかったんじゃない」3度目五輪&歴代2位年長34歳が3位浮上
◆体操 ▽パリ五輪代表最終選考会兼NHK杯 第2日(17日・高崎アリーナ) 男子予選は4月の全日本の得点を持ち越し、個人総合で争われ、34歳の田中佑典(田中ク)が、合計255・128点を出し、6位から3位に浮上。今大会の上位2人が代表に自動決定する中、3度目&日本男子歴代2位の年長記録でのパリ行きが見えてきた。2位から出た岡慎之助(20)=徳洲会=は合計258・196点で首位に立ち、初優勝と初五輪に王手。21年東京五輪2冠ですでに代表内定の橋本大輝(22)=セントラルスポーツ=は、右手中指負傷で棄権。決勝は19日に実施する。 最後の鉄棒を終えると、田中は控えめに小さくガッツポーズした。五輪切符を懸けた最後の大会で、緊張からか上位選手にミスが出る中、ベテランは貫禄の6種目を披露。得意の平行棒では全体2位の15・100点、鉄棒も14・666点の高得点を並べた。6位から3位まで浮上。2大会ぶりの五輪が目の前に迫り「今がピークのようです。誰も予想していなかったんじゃないでしょうか」と笑った。 今大会では、上位2人が自動的に五輪代表に決定。2位の萱和磨(セントラルスポーツ)までは1・367点の僅差で「本気でやるからには本気で行きたい」と逆転を狙う。さらにチームへの貢献度から選出の2枠にも鉄棒、平行棒で高得点を持つ田中は「可能性はある」と水鳥寿思・強化本部長(43)。16年リオ五輪で団体金を獲得した経験は「誇りだが、別もの」と過去の栄光にすがることはない。全てが決まる決勝へ「いつだって自分の演技をするのみ」と極めた体操を貫き通す。(小林 玲花)
報知新聞社