アユが消えた? 性格変わった? 長野で「釣り解禁」も地元に不安
●数十匹が「散らばらない」
また「アユは放流すると一斉に散らばって自分のテリトリーを主張し、外から入り込むアユを追い出そうとする。それがアユの『友釣り』の面白さにつながるのだが、最近のアユは放流しても数十匹が固まっていて散らばらない。アユの性格が変わったのか、病気なのかとても気になる」と話す人も。「川の汚れや大型の鳥の餌食になったり、さまざまな原因が重なっているのかもしれない。もうアユ釣りは駄目になるかも」とあきらめ顔の釣り客もいました。 依田川沿いでウグイを捕らえて塩焼きなどで提供する「つけば」の店を開いて40年になる「金井屋」の店主・金井洋一さん(75)は、「以前は上小地方で20店以上のつけばの店があったが、今は5店。魚がいなくなったのでやめる店が平成に入って増えた」と話しています。 魚の放流量の調整や病気の予防策を検討する長野県の内水面漁場管理委員会でも昨年、漁協などの委員から、「魚の減少で漁協の組合員も減り、赤字になるときもある」、「河川環境の悪化だとすれば原因は何か」と言った意見や質問が相次ぎ、問題が表面化しました。
関係者の間では、「カワウなどの大型の鳥がアユを大量に食べてしまうからではないか」、「外来のコクチバスの食害ではないか」、「農薬などの流入はないのか」といった懸念の声が出ているものの、実情調査が行われていないため原因不明の状態が続いています。 ※【つけば】…ウグイの産卵場所を人工的に作って産卵するウグイを捕らえる漁で、千曲川沿いの特徴的な漁法。産卵場所を「たねつけば」と称したことから地元では漁の方法や料理を提供する店を「つけば」「つけば小屋」などと呼んでいる。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説