【大学野球】「顔を見るのも嫌な対戦相手」小宮山悟・金森栄治VS大島公一・高村祐…熱パのレジェンド激突に神宮熱狂
◆東京六大学春季リーグ戦第6週第1日▽早大3―2法大(18日・神宮) 神宮球場のグラウンドを眺めていると、脳内にパ・リーグの連盟歌「白いボールのファンタジー」が流れてきた。 早大ベンチには小宮山悟監督(58)と、金森栄治・助監督(67)のどっしりとした姿が。対する法大ベンチでは大島公一監督(56)と高村祐・助監督(54)が腕組みをしながら戦況を見つめていた。 いずれもプロ野球選手として、「熱パ」を彩ったレジェンドである。試合後の会見で私がその点に触れると、小宮山監督は「よくぞ聞いてくれた」といった感じで、東京六大学リーグからパ・リーグへと続いた大島監督との“球縁”について語ってくれた。 「まさか大島が監督として戻ってくるとは思わなかった。それこそ、顔を見るのも嫌な対戦相手でしたから。きょうも向こうのペースでやられていたので、『学生時代と同じことの繰り返しかな』と思って、嫌な感じがしましたけど…よくひっくり返せましたよ」 そして、こう続けた。 「近鉄の時は、そこまで怖さのない選手でしたが、オリックスに行ってイチローと1、2番を組んでから、とんでもない選手になってしまいましたから」 そんなわけで、小宮山悟(ロッテ)VS大島公一(近鉄、オリックス)のパ・リーグ対戦成績を調べてみた。 【通算】 76打数20安打 打率2割6分3厘 【大島公一の近鉄時代(93~95年)】 33打数6安打 打率1割8分2厘 【大島公一のオリックス時代(96~99年)】 43打数14安打 打率3割2分6厘 さすがは球界屈指の頭脳派・小宮山監督の記憶力である。「そこまで怖さのない選手」が「とんでもない選手」になったことが数字上、一目瞭然だった。 ちなみに対戦最終年となった1999年の対戦成績は、16打数6安打の打率3割7分5厘と打ち込まれている。イチローとの1、2番、対戦は嫌だったことだろう。 小宮山監督はこう結んだ。 「手強い相手が戻ってきて、こちらも学生時代を思い出しながらやっていました」 プロからアマへ。グラウンドからベンチへ。それでも一球に懸ける野球人の熱情は、不変である。 「白いボールのファンタジー」でも、こう歌われている。 「いくつもいつでも手に汗握り/心を燃やすひととき求め」 (編集委員・加藤弘士)
報知新聞社