Beyond2020NEXT FORUMから生まれた「デジタルエンタテインメントコンソーシアム」のキックオフパーティー開催。衆議院議員の鈴木隼人氏、アソビシステムの中川悠介氏らが闊達な意見交換
デジタル時代のエンターテインメントが抱える課題解決に向けたコンソーシアム「デジタルエンタテインメントコンソーシアム」のキックオフパーティーが3月13日、都内で開催された。 現在、日本のエンタテインメントコンテンツはSNSをはじめとしたデジタル技術によって、テレビや雑誌などのマスメディアからSNSなどのプラットフォームに広がり、国内だけでなく世界中のコンテンツをより身近に楽しめるようになっている。しかしその一方で、管理や統率が難しくなっていることにより、リスクや課題も多く生まれているという。 同コンソーシアムは社会が安心してコンテンツを消費でき、そして安全にコンテンツを創造できる環境づくりを目的としたもの。エンターテインメント業界の健全なコンテンツ環境の構築を通して、日本が持つエンターテインメントの力を引き上げ、業界及びその関連業界のさらなる発展を目指すという。 設立にあたっては内閣府の「beyond2020プログラム」認証事業「BEYOND 2020 NEXT FORUM」の一環として、次世代エンターテインメント振興をテーマに実施された経済産業省のワーキングを経て、エンターテインメント事業に関わる領域の関係者が参画している。 この日のキックオフパーティーでは冒頭にトークセッションが行われ、衆議院議員の鈴木隼人氏、経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課の堀達也氏、一般財団法人渋谷区観光協会代表理事の金山淳吾氏、そしてコンソーシアムの発起人の一人でもあるアソビシステム株式会社の代表取締役・中川悠介氏によるトークセッションが行われた。ファシリテーターを一般財団法人ピースコミュニケーション財団の代表理事・一木広治氏が務め「未来のエンターテインメントについて」というテーマで闊達な意見交換がなされた。
鈴木氏は「いかに世界に打って出られるか。それがこれから大事になる。そういった方向に向けて皆さんと一緒に持っていければ」、堀氏は「日本のエンタメは海外でも通用する魅力があると思っている。この数年で日本のエンタメに対する期待が高まっていると感じる。海外展開とデジタルの活用は必須だと思っている。そういうところが広まって世界中の人が日本のエンタメのファンになって、それで日本に来てくれるという動きになればいいと思っている」、金山氏は「次のエンターテインメントに欠かせないのがデジタルだと思っている。テクノロジーを使うと新しいカテゴリーのエンターテインメントを作れる時代になったのではないかと思っている。日本のエンタメは内需で稼いできた歴史が長いと思うので、今度は外需で稼ごうと思ったら、世界のフィールドに日本の技術力と空想力でエンタメを作って日本を聖地にして、来てもらう。そしてそのフォーマットを海外でも買ってもらう。テクノロジーを上の視点から見て、何を使えばどういう面白い表現ができるのかということを考える時代に突入したのかなと思っている」、中川氏は「デジタルの時代になったら、ソーシャルネットワークで1日で日本中、世界中の人に見てもらえるチャンスを作ることができる。日本のエンターテインメントが世界に出ていくチャンスが増えていくんじゃないかと思っている」などと、4者とも日本のエンタメコンテンツの海外展開、それを推し進めるためのデジタルをはじめとしたテクノロジーの発展と活用の重要さを掲げた。 また海外を相手にする場合の問題として、中川氏は韓国の官民一体の取り組みを例に挙げ「日本は個社でやっても勝てない。その美学はカッコいいが、世界で通用するためにはパワーが足りない。オールジャパンを作って、オールジャパンで攻めていくことで海外に輸出していくこと=インバウンドが日本に戻ってくるのでは」などとオールジャパン体制の構築が急務とした。鈴木氏は「僕も業界の人から“日本も韓国みたいにやってほしい。どーんとお金をつけてばーんとやって”みたいな話になるが、韓国がやっていることを調べると、実は意外と日本がやっていることとそんなに変わらない。韓国のほうがお金を使っているような印象が広まっているが、実は日本のほうがお金を使っている。なんで韓国が世界展開ができて、日本はうまくいってないのか。それは人脈。日本の今の実力では正面から話をしなければいけなくて、時間がかかる。その点、韓国は人脈を張り巡らせているので、話が前に進む。コネクションさえあればある程度前に進みやすい部分が日本はできてない。そこに我々の苦しんでいる部分がある」などと現状を説明する場面もあった。