[山口県]宇部看護専門学校 25年度以降の募集停止 医師会立閉校相次ぐ県内 大学は関連学部設置進む
宇部市医師会は運営する宇部看護専門学校(同市中村)について、2025年度以降の学生募集を停止すると発表した。近年の少子化や四年制大学への進学志向の強まりなどで、県内では医師会立看護学校の募集停止や閉校が相次ぐ一方、大学では看護関連の学部・学科の設置が進んでいる。 宇部看護専門学校は本年度の入学生を最後に看護科(3年制)、准看護科(2年制)ともに募集停止する。出願者の減少や入学者数の低迷が続いているといい、定員の看護科40人、准看護科50人に対し、過去3年(22~24年)の定員充足率は平均で看護科53%、准看護科65%だった。現在の在校生は看護科66人、准看護科56人。 同会によると、今年2月に同校に関するアンケートを会員に実施したところ、「閉校」「第三者への譲渡」の意見が約8割を占めた。譲渡も検討したが難しいとみられ、同5月の理事会で両科の募集停止を決めた。同会の担当者は「残念だが、これ以上の学校運営は困難との判断に至った」と説明する。 同校は1954年に市医師会付属准看護婦養成所として設立され、75年には宇部高等看護学院を開設。開校以来、今年3月までに看護科2019人、准看護科2692人の卒業生を送り出した。 県内ではこの数年で医師会立の厚狭准看護学院、下関看護専門学校、柳井准看護学院が相次いで閉校。現在は宇部のほか、吉南准看護学院、萩准看護学院、徳山看護専門学校、防府看護専門学校の計5校が運営を続けている。 一方、県内大学では本年度に周南公立大が看護学科を新設、下関市立大が来年度の看護学部(仮称)の開設を目指しており、山陽小野田市立山口東京理科大は29年度に設置を構想する医療保健学部(仮称)に看護などの学科を検討している。