売り物? 思わず立ち止まるおもちゃのショーウィンドー 英国
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【12月25日 AFP】英ロンドン北部カムデン・パッセージ43番地。クリスマスのイルミネーションがともったショーウインドーは、ビンテージおもちゃでいっぱいだ。 英国伝統の人形劇「パンチ・アンド・ジュディ」の操り人形、古いボードゲーム、列車や飛行機の模型、紙製のお面といった風変わりなコレクションに興味をそそられた通行人は、すぐに入り口を探し始める。 だが、43番地は店ではない。ここにある物は一つとして売り物ではない。ショーウインドーの横にあるクリスマスリースのかかった青いドアはピタリと閉じたままで誰も応答しない。 ここは元住人のボブ・ボルゼロさん(88)が、生涯にわたって「蓄積」してきたものを見せるためのショーウインドーだ。 米シカゴ出身の元実業家でタブロイド新聞の編集者だったボルゼロさんは、1960年代にロンドン大学経済政治学院に留学する目的でロンドンにやって来た。いったんは帰国したが、1967年以降は元妻とロンドンに定住し、この物件でポスターショップと印刷業を営んだ。 アンティークショップやジャンクセールを回り「蓄積」してきたという品々の展示を始めたのは約10年前。「楽しいのは、あちこちを見て回って探すこと。多くは自分がただ面白いと思った物だ」という。 収集癖の遺伝子は、イタリア系米国人の母親から受け継いだと思っている。ボルゼロさんの娘も「『マッドラーク』(川で価値のある物を探す人)で、テムズ川で見つけたもので家じゅうがいっぱい」だという。 一方、息子は「逆の道を行くミニマリスト」だが、「他人が枯らした植物を持ち帰り、生き返らせる」のが得意だという。ボルゼロさんに言わせればこれも一種のコレクターだ。 最近、娘(ボルゼロさんの孫)と一緒にディスプレーを引き継いだ義理の娘、ベル・ベンソンさん(51)は「みんな集まってきて『見て!いつ営業しているんだろう』と言います」とAFPに語った。 「特に小さな子どもたちには大人気」とボルゼロさんが言い添えた。 映像は20日撮影。(c)AFPBB News