2023年は「金融資産0円世帯」が増加!数字で見るシニア世帯の金融資産事情
日本の平均寿命が延びているなかで、老後生活に金銭的な不安を感じている現役世代の方や、同年代の保有資産額が気になるシニア世代の方もいらっしゃるかもしれません。 そこで今回は、保有している金融資産が0円のシニア世代の割合や、全年代の金融資産保有率の遷移をご紹介します。本記事を参考に、今後のお金のことを考えるきっかけにしてみてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
保有している金融資産が0円のシニア世代の割合
2022年に金融広報委員会が行った「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査],[単身世帯調査](令和3年以降)」の調査において、60歳代と70歳代の、金融資産を保有している割合と保有していない割合について表1にまとめました。
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査][単身世帯調査]各種分類別データ(令和4年)」を基に筆者作成 シニア世代である60歳代、70歳代のうち、金融資産を保有していない二人以上世帯は、それぞれの年代で20%ほどとなっています。 一方、単身世帯で金融資産を保有していない60歳代、70歳代は、ともに約28%でした。シニア世代の場合、二人以上世帯に比べて単身世帯の方が、金融資産を保有していない割合が高いことが分かります。
2023年は2022年より厳しい結果に
金融広報中央委員会が2023年にまとめた「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果」によると、金融資産を保有していない人の割合が増えています。
※金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]時系列データ(令和3年から令和5年まで)」より著者作成 表2で示されているように、金融資産を保有していない人の割合が、徐々に高まっているデータとなっています。 合同会社フィンウェル研究所は、60歳代を対象に、保有資産額に関する調査を行いました。調査のなかで、保有資産が0円と回答した方の割合を2023年と2022年で比べています。その結果を表3にまとめました。