「工事をしても冠水は解消されないのでは」住民は排水路の効果を疑問視 糸満市、説明会で「白川2号幹線」に理解求める
沖縄県糸満市(當銘真栄市長)は10月22日、阿波根交差点付近で計画中の排水路「白川2号幹線」工事の第3回住民説明会を潮平中学校で開いた。計画に反対する阿波根西原自治会(花城宗順会長)から約20人が参加して、「工事をしても同交差点付近の冠水は解消されないのではないか」と改めて懸念を示した。市側は、冠水解消のため、交差点付近の側溝の改良や新たな排水路の増設を検討しているとして理解を求めた。(南部報道部・国吉聡志) 【写真】6億5千万円かけて大雨対策したが…それでも腰まで冠水 沖縄・糸満市 市側は「白川2号幹線」整備の目的を、大雨の際に阿波根から潮平の県道256号沿いで起きる冠水の解消だと説明。潮平小学校北側を通る、排水路「白川幹線」が冠水する原因を「阿波根や北波平方面から、同幹線の排水能力を超える雨水が流れ込んでいる」と指摘した。 さらに「同幹線で処理できずにあふれた雨水が道路をつたって『白川1号幹線』に流れ、そこでも冠水を引き起こしている」と説明。流れ込む雨水を分散させる必要があるとした。 自治会側が冠水解消策として提案している「白川幹線」の改修については検討したものの、「新たな用地買収などが必要で、完成まで時間と費用がかかるため適当ではないと判断した」と説明した。 花城会長は「阿波根交差点付近の浜原都市下水路も過去何回もあふれている。人命に関わる事例もあり、それに対する対策が示されていない」と指摘。「新たな負担を強いる排水路の建設には反対だ」と訴えた。 これに対し同市の担当者は「枯れ葉などが道路側溝に詰まり、雨水が効率的に排水されていない可能性がある」と指摘。「交差点付近がくぼ地になっており、水がたまりやすい状況にもなっている」とした上で、側溝の改良や新たな側溝ぶたの設置を検討していると話した。 加えて「『白川2号幹線』の整備によって交差点付近の冠水が解消されず危険性が増すのなら、排水管の増設も検討する」として、同幹線の建設に理解を求めた。