これからのニッポン、増税するならどの税がいい?…経済評論家が「固定資産税」をプッシュする納得の理由
税の増収分を「災害対策」に活用すれば…
東日本大震災の際、東京では帰宅困難者が大勢出ましたし、歩道を人が埋め尽くしていました。火事や建物倒壊が(ほとんど)なかったからよかったものの、帰宅の人波を火災が阻んだりしたら、大惨事が起きても不思議はなかったでしょう。 阪神淡路大震災のときのような火災が、人口密度の高い東京で多発することを考えるとゾッとします。そうしたリスクを減らすためにも、東京の人口を減らす必要があるのです。 大災害が発生したときになにが起きるかは、発生してみないとわかりませんし、考えたこともないという人も多いでしょう。劇場火災の可能性を気にせず劇場に行っている人が多いのと同じです。 しかし、我々はすでに地方都市での惨事を何度も見ています。そして、東京で同じことが起きたら、それよりはるかに悲惨なことが起きるということだけは、容易に想像できるでしょう。観客50人の劇場と1000人の劇場で火災が発生した場合の被害の大きさを想像してみると、イメージが持ちやすいかもしれません。 固定資産税は地方税なので、ただでさえ税収の多い大都市が潤うだけだ、という可能性はあります。しかし上記を考えれば、大都市ほど防災をしっかりする必要があるわけですから、「税収増は災害対策に使う」とでも決めておけばよいのではないでしょうか。 建物の耐震補強は当然ですが、老朽化した水道管の交換等も急ぎましょう。何百万人が断水したら給水車が足りませんから。火事が発生したとき、道路が混んでいて消防車が動けないと困るので、放水できるヘリコプターとヘリポートの整備も必要かもしれませんね。筆者は防災に詳しくありませんが、専門家に頑張っていただきたいものです。 今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。 筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義