演劇のある憩いの場。『座・高円寺「演劇資料室」』。
演劇の台本などは、流通を通した出版物ではないため、図書館や書店でも手に取って読む機会はなかなか少ない。だからこそ、『座・高円寺』での観劇後に類似のテーマや作家を深掘ることができるのも嬉しい。所蔵資料はサイトから検索することができる。演劇ホールを有する施設ならではの充実ぶりに驚いた。
「今はスマホさえあれば、手軽に楽しめることが多くなりましたよね。戯曲を読んだり、お芝居を観たりということが”面倒くさい”ことになってしまってきているのかもしれません。でも、自分の身体で体験したことは、ずっと残ることだと思うんですよね。後々になって、自分の考え方を刺激するきっかけになってくれるような。ぜひ、この施設や本に興味を持っていただき、ライブや演劇など”人がいまそこにいる”体験を増やしてもらえたら嬉しいです」
実は書庫には、絵本のコレクションも多く揃える。演劇とは関係がなくても、専門領域だけに留まらず、子どもから大人まで広く楽しんでほしいという思いが表れているように感じた。ちょっとした雨宿りから演劇鑑賞や研究にまで、どんな人でもシチュエーションでも受け入れる、街の大きな舞台がここにある。
インフォメーション
『座・高円寺』 『座・高円寺』では、様々な演劇やイベントプログラムを実施中。また、毎月第3土曜日には、朝採れ野菜やパン、お菓子などが並ぶ、たべもの市場「座の市」を開催。「演劇資料室 [アーカイブ] 」は、閉架式で資料を保存。劇場2階の受付で申込み後に利用可能。複写も受け付けている。詳細はこちらをチェック。 ○東京都杉並区高円寺北2-1-2 演劇資料室の開室時間は15:00~18:00(火~金)、12:00~18:00(土日) 月・祝・年末年始休 photo: Hiroshi Nakamura, text: Ryoma Uchida, edit: Toromatsu
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