プロが解説する遺品整理の「よくある間違い」…意外と知られていない「計画表」と「役割分担」の大切さ
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第25回 『遺族「どれも大切で捨てられない!」…遺品整理のときの「片づける基準」をプロが徹底解説』より続く
工程表のポイント
ほかによくある間違いは、「遺品整理なんて予定どおりには行かない」「予定など決められない」などと考えてしまうことだ。しかし、期限を決めることは、遺品整理をするうえでとても大切だ。「いつまでにこうしたい」と期限を決めた工程表を作るといい。 最初に立てた予定が変わってしまってもいいから、とにかく、仮の工程表を作っておく。「予定が変わったら、あとで修正すればいい」というくらいの気持ちで、まずは工程表を作成することだ。 工程表のポイントは、作業の量だ。自分で整理する場合でも、不用物の処分は専門業者に任せるか、自力で地域のゴミ収集に出すかで、工程が変わってくる。分別種類ごとのゴミ出し日もスケジュールに大きく影響することになる。
役割分担の重要性
それから、「誰がなにをするのか」を決めないままという間違いが多い。役割分担が決まらなければ、「計画」にならないことはいうまでもない。途中で遺品整理作業に挫折する大きな原因になっている。 これは、多くの人に影響がある部分だ。たとえば、自分一人で遺品を整理するのか、あるいはきょうだいやその家族、親戚の誰かが手伝ってくれるのか。手伝ってくれる人がいる場合は、誰がなにをするのかを決めなければならない。また、廃棄物については片づけ専門業者などに頼むことが多いが、一部分でもプロに手伝ってもらう場合は、この計画段階までに相談に乗ってもらう必要がある。